1872年以来、イギリスのオクスフォード大学とケンブリッジ大学の学生たちにとってThe Varsity Match(大学代表チームの競技試合)といえば、ロンドンの トゥイッケンハム スタジアムで行われるラグビーのことだったが、最近では野球という声も聞かれるようになった。

オクスフォード大学で行われた第1回大学野球(Varsity Match)が行われ、オクスフォードレンジャーズがCUBS(ケンブリッジ大学野球協会)を8対1で下した。ケンブリッジは1回投手のAJ Callis(MLB.comの記者 Jim Callisの息子)から先制点を奪った。この大会についてJim Callisも誇らしげにツィートもしている。

AJ Callis, Oxford winning pitcher

AJ Callis on the mound (Karandip Singh)

しかしケンブリッジの守備エラーを8つも出したため、オクスフォードレンジャーズは2回裏に2点、3回裏に4点をいれて逆転するとそのまま勝ち越し、 Callisが勝利投手、13奪三振を記録した。

オクスフォードレンジャーズの主将は臨床医学博士課程の学生トーマス・キャロル。野手のキャロルは1回ファインプレーでCUBSの得点チャンスを妨げた。
メールでのインタビューで、「毎年違いますが、レンジャーズチームはなかなか国際的なメンバーです。今年は5人中2人がアメリカ人。イギリスやほかのヨーロッパ出身選手のほか、日本、韓国、中国、シンガポールからの選手もいます。」とキャロルは答えた。

ケンブリッジのチームが入れた1点はRoman Rzyckiの得点。
地理学専攻3年生のRoman Rzycki はポーランド生まれで、夏休みに祖父の住むアメリカを訪ねて以来の野球ファンとなった。「一緒に野球を見たり、プレーしたりしていました。」とコメントした。

Roman Rzyckiは副会長として2017年ケンブリッジ野球選手代表チームの復活に貢献。現在 CUBSの会長を務める。2018年のVarsity Matchではケンブリッジは14対10で勝利した。
「今年のチームはまだまだ経験は浅いがシーズンを通して大きく成長しました。先発投手は8イニングをしっかり投球してくれましたが、残念ながら守備が弱かった。」とRzyckiは語った。

Roman Rzycki は今後イギリスの大学野球の未来を信じている。「大学野球は2年連続で行われ、来年はケンブリッジ開催を考えています。CUBSはこれからも未来に向かって進み、今後も続けていけるチームを作っていきたいです」と意気込みを語った。
オクスフォードレンジャーズとケンブリッジカブスは3年前に設立。両チームともイギリス大学野球リーグで戦うが、オクスフォードは南西地区、ケンブリッジは南東地区に分かれている。
オクスフォードとケンブリッジにはそれぞれイギリスの統括組織であるイギリス野球連盟公認リーグ(国内トップの6チームが競う国内リーグ)に入る野球チームがある。オクスフォードキングス はトリプルA5チーム、 ケンブリッジモナーキス はダブルAの3地区18チームの一つだ。シングルリーグも3地区18チームが競う。
どちらのチームも1990年に設立された。

リック・アッカステッロはバッキンガムシャー・ハイウィカムでコーチをするイタリア出身者。

「オリベッティ社でデザイナーの仕事をしていたんですが、イギリスのハイゥイカムにあるランク・ゼロックス社に転職し、そこで同僚と結婚してイギリス国籍を取得しました。」と
リック・アッカステッロ は回想している。アッカステッロは生まれ故郷のイタリア・ピエモンテ州に野球チーム「ジャックス・トリノ」を設立した。
「イギリスに来てからクリケットとラグビーを始めました。野球はあまり人気がなかったからです。でも近所に野球チームができたときいて仲間に入りました」

チームの名前はブルージェイズイズと名付けられた。選手の一人であるカナダ人Santo Bainsはその後オクスフォード大学で野球チームを設立すると、Bains がアッカステッロとブルージェイズのチームをオクスフォードに呼んだ。

「最初はライバル同士でしたが、その後Santoのチームであるキングスに参加したり、三塁コーチや審判もやりました」と リック・アッカステッロ は語った。

オクスフォードキングスは2度大学野球でケンブリッジでプレーしたことがある。1999年キングスは11対8、2000年は6対で勝利した。
しかしその後両チームはイギリス野球連盟のリーグでプレーするようになったため、それ以降大学野球が行われなくなった。

Oxford beat Cambridge in the Varsity Match

Some hustle during the Varsity Match (Karandip Singh)