阪神タイガース日本シリーズ制覇 「カーネルサンダースの呪い」に終止符
08/11/2023 1 記事を読む目安時間

阪神タイガース日本シリーズ制覇 「カーネルサンダースの呪い」に終止符

1920年から2004年までボストン・レッドソックスが苦しんだベーブ・ルースの「バンビーノの呪い」や、1945年から2016年までシカゴ・カブスを苦しめた「ビリー・ゴートの呪い」ほど有名ではないが、それでも語るに値する話がこの「カーネルサンダースの呪い」である。

阪神タイガースは歴史ある日本プロ野球(NPB)球団だ。1935年12月10日に誕生し、1936年に大阪タイガースとして始まった。

タイガースは兵庫県西宮市に本拠地を置き、ホームゲームは歴史ある阪神甲子園球場で行われている。

日本野球連盟時代(1936~1949年)タイガースは4度の優勝を果たした。しかし、NPBが設立され球団がセ・リーグとパ・リーグに分裂し、そこからタイガースがリーグ優勝するまでに多くの10年以上を要することになる。

1962年に初めてリーグ優勝し、日本シリーズに進出。1964年に再びセ・リーグを制したが、どちらも日本シリーズで破れた。

再びセ・リーグで優勝するまでに1985年まで待たなければならなかった。この驚くべき勝利に、大阪の道頓堀周辺には祝福するファンが集まった。

虎党のライター、トレバー・ライチュラはMLB.comに対し「道頓堀にはファンが川に飛び込むという伝統があります。80年代に有名な作家か漫画家がもしタイガースが日本一になったら、川に飛び込むよと言ったのきっかけらしいです」と語っている。

これはまさにタイガースファンのやることだ。1985年にリーグ優勝を果たすと、道頓堀にファンが集まり、それぞれの選手によく似たファンが道頓堀ダイブを始めたのである。しかし、54本塁打の打者であるアメリカ人のスーパースター、ランディ・バースに似た日本人がいないため、勝利に興奮したタイガース・ファンはケンタッキーフライドチキンの店の外に置かれたカーネル・サンダースの像をバースに見立ててそれを川に放り込んだのである。

Randy Bass_Colonel Sanders

道頓堀に沈んだ像は、その後何度か川底清掃作業でも見つからなかった。

タイガースはその後不遇が続いて日本シリーズに勝ち進めず、テレビ番組で「カーネル・サンダースが救出され、道頓堀が浄化されるまで、タイガースはもう日本シリーズに勝てないだろう」と発言して、この呪いの説が定着したという。

その後、タイガースのセ・リーグ優勝までさらに18年かかった。当時はファンが再び道頓堀に飛び込み、一人の男性が命を落として悲劇的な結果を迎え、タイガースは日本シリーズで破れて日本一を逃した。

像は2009年にようやく救出され、甲子園球場の前に飾られたが、タイガースはその年4位に終わった。

Colonel Sanders statue_Osaka

2014年KFCが像を本社に移した後、タイガースは日本シリーズに進出したが、福岡ソフトバンクホークスに1勝4敗で敗れた。

ハーランド・デビッド・サンダース(1890-1980)は、KFCフランチャイズを設立し、ブランド・アンバサダーを務めた。2023年の日本シリーズでは、「カーネルの呪い」にオリンピック金メダリストの山本由伸という強敵も立ちはだかり、タイガースは第6戦で打線を封じられ、日本シリーズは第7戦にまで突入した。

第6戦でタイガースの日本一が決まれば、甲子園球場に隣接するKFCレストランから、段ボールで再現されたカーネル像がタイガースの呪いの終結を見守るというドラマチックな幕切れとなるところだったが、タイガースは勝利を逃して最終7戦目に突入し、大阪の京セラドームで日本一を達成した。