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Baseball Olympic Games 2020 - Official Payoff
連盟特集 日本の目標は野球世界ランキング首位の維持と未来を見据えた振興活動
07/09/2021 1 記事を読む目安時間

連盟特集 日本の目標は野球世界ランキング首位の維持と未来を見据えた振興活動

東京2020オリンピック野球競技で日本がアメリカを破り見事金メダルに輝いたあの日からちょうど1ヶ月。これを記念してWBSCの今回の「連盟特集」特別版パート2では全日本野球協会と侍ジャパンに焦点をあてる。

日本がオリンピック野球競技で初の金メダルに輝いたあの日からちょうど1ヶ月が経過。栄冠を手に入れた全日本野球協会(BFJ)のこれからの目標は、世界ランキング首位の維持と、そして未来を見据えながら野球界を導いていくことだ。

WBSC「連盟特集」特別版パート2では全日本野球協会の国際兼広報担当の長又淳史氏に話を伺い、東京オリンピック後、日本の野球はどのように構築されていくのかについてWBSCに語ってもらった。

「オリピックは4年に一度、世界中からその競技を注目してもらえる最高の機会です。しかし、残念ながら野球はオリンピック過去2大会で競技種目に入らず、計13年間もオリンピックから離れていました。これは日本の野球選手たちにとってはマイナスな要素でした。実際、日本での野球人口は減少し、ほかのスポーツの人気が高まっていきました。こうした状況の中で、日本がオリンピック決勝で野球発祥の国アメリカに勝利して金メダルを手に入れたことは、日本の歴史上最大と言ってもいいぐらい価値のある成果であったと思います」と長又氏は振り返った。

「また、このメダルが未曾有のパンデミック禍で達成したことも歴史的なことでしょう。今回の金メダル獲得は、更にここから世界の野球シーンをリード出来る足掛かりを掴んだと思っています」と長又氏は語り、さらに「そして今後の全日本野球協会の使命は、WBSC世界ランキング首位を維持することです」と加えた。

長又氏はこれまでも野球人生を歩んできた。アメリカに渡ってスポーツマネージメントの修士号を取得。その間にはメジャーリーグベースボール(MLB)の数球団でインターン経験を積み、2009ワールドベースボールクラシック(WBC)にも携わった。

現在39歳の長又氏は、オリンピック金メダル獲得はBFJにとって特別な意味があるという。「オリンピックの野球競技で日本が金メダルを獲得した事実は多くの子供達を惹きつけ、野球の普及振興・発展にとって何物にも代えがたいアピールとなりました。他の競技でも同様、オリンピックはそれぞれの競技にとって一番大きな力を発揮させます。そんなオリンピックで野球の素晴らしさと楽しさを次世代に広くアピールできたことは今後の普及振興活動にとっても追い風となるでしょう」

東京2020オリンピック野球競技金メダル決定戦 日本対アメリカを視聴する

日本代表野球チームはトップチームから全世代を「侍ジャパン」と総称している。日本代表トップチームはBFJと日本プロ野球機構(NPB)が協議し選考している。2016年5月、BFJとNPBは合同で「日本野球協議会」を設立。同協議会は普及・振興委員会、侍ジャパン強化委員会、マーケティング委員会、オペレーション委員会、国際委員会の5つの委員会から構成される。「プロ、アマ日本の野球界が一体となって、将来を見据えた活動をするために発足されました。5つの委員会を中心に野球界全体が共通の課題解決のため協力し、事業を推進しています」と長又氏は語った。

侍ジャパン強化委員会の目的は、最高の選手の選出に向けて十分な強化をし、国際大会で常に優勝を争えるチームを作り上げることだ。オリンピックの代表チーム選手らはBFJとNPBが侍ジャパン強化委員会を通じて十分に審議し選考された。

育成は選手だけに限らない。BFJではあらゆる分野での野球振興に務めている。「指導者の質の向上と養成を目的に指導者資格制度を構築しました。指導者講習会や審判員を対象としたクリニックも行っています」と長又氏は答えた。

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1990年6月20日に日本野球連盟(JABA)と日本学生野球協会(JSBA)から構成するアマチュア野球の代表組織「全日本アマチュア野球連盟」が設立された。この組織はただちに日本オリンピック委員会(JOC)、国際野球連盟(IBAF)、アジア野球連盟(BFA)から承認された。

過去にはフィリピンで行われた第一回アジア野球選手権大会への代表チーム選考を契機に社会人野球リーグ(現在のJABA)やJSBAが主導して1954年に日本アマチュア野球協会が組織されたことがあったが、1966年に同協会は解散した。

しかしその後、国際野球大会への参加、および開催のため1967年に両団体が再び日本アマチュア野球国際委員会を設置し、1989年まで続いた。

現在、BFJには日本の3つの全国的な野球統括組織が加盟し、ほぼ全ての日本のアマチュア野球組織を代表している。BFJの役割は国内の野球競技の発展、代表チームの強化、海外との野球を通じた交流とベースボール5などである。山中正竹会長が代表理事をつとめ、平野裕一専務理事、長久保由治事務局長や長又氏を含むスタッフが一体となって日常業務に従事している。