世界ランキング3位の日本は、イタリアのカスティオン・ディ・ストラーダで行われた日曜日の決勝戦で3,200人の満席の観衆を前に同1位のアメリカを6-1で破り、WBSC女子ソフトボールワールドカップ2023/2024を制した。
アメリカの投手陣はスーパーラウンドでは日本を完封したが、決勝では日本の打線がケリー・マックスウェル、ミーガン・ファライモ、アリー・カルダを相手に11安打を放った。
「スーパーラウンドの試合後、私は選手たちに大きなスイングが多すぎること、もっとつなげていく必要があることを伝え、そしてベストを尽くせば必ず勝てると言いました」と宇津木麗華ヘッドコーチは語った。
宇津木監督は後藤希友を先発させ、5回を投げ終えたところでベテランの上野由岐子を起用した。
「今日のような大事な試合の先発には若い投手が必要でしたが、プレッシャーを感じたり、疲れてしまうかもしれないと思っていました。上野が準備してくれたことで、後藤も私も含めみんながリラックスして臨めました」と振り返った。
後藤希友はWBSC女子ソフトボールワールドカップファイナルステージ2024で22イニング以上を投げた。
「試合が終わるたびに、毎日ルーティンを課して最高のコンディションで次の試合に臨んでいます」
アメリカ打線は初回に後藤から1点を奪ったが、その後4イニングは追加点を奪えなかった。
後藤は、「最初の失点は悔しかったです。スリーアウトを取ったとき、とにかく1点に抑えることだと自分に言い聞かせました。コントロールとスピンが効いたと思います」とこの試合での最大の武器について語った。
後藤は2019年のWBSC U-19女子ソフトボール・ワールドカップでアメリカ相手に劇的な敗戦を喫したが東京2020オリンピックでは日本の優勝に貢献。ワールドゲームズでは再び2位に終わった。
「アメリカとの対戦はいつも特別です。どの大きな大会でも決勝で対戦できればいいなと思っていました。このワールドカップでも決勝での対戦を楽しみにしていました」
MVPの上野由岐子はサークルに呼ばれたときの心境を通訳を介して語った。
「緊張しましたがネガティブな意味ではありません。エネルギーが湧き出てくるような緊張感でした」
上野はアメリカ打線に安打を許さず、3与四球のみ。
「自分の成績も嬉しいですが、チームとして素晴らしい結果を残せたと思います。私個人の活躍はチームワークへの貢献にすぎません。チームメイトを一人ずつ祝福したい」と語った。
日本の女子ソフトボール世界大会でのタイトル獲得は2014年以来4度目。2016年と2018年のWBSC女子ソフトボールワールドカップ、そして2022年のワールドゲームズでは日本はどれもアメリカに次ぐ2位に終わった。
「ソフトボールは2024年オリンピックには含まれていません。私たちは2028年のロサンゼルス大会に集中しています。今回の勝利は、(日本の)ソフトボール界全体の励みになるでしょう。日本には若い選手がたくさんいます。この世界タイトルは彼らに大きな自信を与えることと思います」
決勝実況レポート
アメリカは日本の先発、後藤希友を相手に序盤で得点に成功。世界ランク1位のアマンダ・ローレンツが1アウト満塁のチャンスを作り、後藤の4球目を捉えてタイムリーを放った。
2回表、世界ランク3位の日本が逆転。先頭の下山絵理が出塁すると二盗を決め、坂本結愛の安打で本塁に生還した。アメリカ先発のケリー・マクスウェルは最初のアウトをストライクで仕留めたが、唐牛彩名が中前適時打を放ち、日本が勝ち越した。
唐牛はホームへの送球で2塁へ進塁するが、マクスウェルがサードのジェシー・ウォーレンとショートのニコール・ベイツに助けられ、2アウトと3アウトを記録した。
3回、中川彩音がヒットで出塁し、アメリカはミーガン・ファライモに投手交代。石川恭子はショートへのダブルプレーに倒れた。
ファライモは2アウトから塚本蛍に2塁打を許したが、下山のレフトフライで切り抜けた。
3回裏、先頭のハンナ・フリッペンとジェシー・ウォーレンが連打で出塁。後藤はデジャ・ムリポラを二ゴロに打ち取った。
後藤は2アウトをストライクで取った。ランナー3・2塁で、ジョセリン・アロがショートへのスローゴロ。石川がファインプレーで失点を防いだ。
4回表、日本は1点を追加。ファライモは1アウトから須藤志歩に四球を与え、暴投で2塁に進み、切石結女のセンター前ヒットで得点した。
切石は二盗を決め、アメリカは藤本麗を敬遠四球。中川彩音はこのチャンスを生かし、右中間を破るタイムリーヒットで日本のリードを4-1に広げ、ランナー3、2塁とした。
石川がファライモの8球目を右中間へライナーで運び、6-1と点差を広げた。ファライモはアリー・カルダと投手交代。
アメリカはピッチャーライナーで4回表を終わらせた。
その裏、日本は42歳のレジェンド、上野由岐子にボールを託した。
上野は6回裏に先頭のローレンズ、7回裏にはマクレーニーとフリッペンにそれぞれ四球を与えた。ウォーレンはフルカウントから上野がはじいた打球を川畑がカバーして、試合は終了した。
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