2019年 輝く未来への礎を築いた大きな年
19/12/2019 1 記事を読む目安時間

2019年 輝く未来への礎を築いた大きな年

ベンチュウ・ロー事務総長が野球・ソフトボール・ベースボール5のグローバル化の礎を築きWBSCにとって実り多い有益な年となったこの1年を振り返った。

「この12ヶ月、野球ソフトボール競技は目覚ましい発展を続けました。革新、グローバル化、平等性をキーワードに数多くの重要な決定をWBSCは行なったことを誇らしく思います。

野球とソフトボール、そして新競技ベースボール5はこれまでにないほどの成長を続けました。リッカルド・フラッカーリ会長が年末に行われた総会で強調されたように、この三競技のさらなるグローバル化はわれわれの長期的な未来にとって重要であり、その目標達成には革新が必要です。

その革新の一例は、WBSC理事会が1月に決定した一部のベースボールワールドカップのイニング数短縮です。2020年よりU-12 以下(6イニングのまま)以外の年齢カテゴリーのベースボールワールドカップ が9イニングから7イニングに移行しました。

ローマのオリンピック委員会本部で行われた理事会で、ユースカテゴリー大会で2年間の試験期間を経てルール変更することが決定されました。また、試合時間短縮、投球時間制限、イニング交代時間制限、マウンド訪問回数の制限、そのほか試合中断を制限する取り組みなどの改革を進めました。これらの変更はオリンピック予選、パンアメリカン競技会、そしてプレミア12で導入され成功に終わり、またリプレー検証も男子・女子ソフトボールワールドカップで導入されました。

こうした変革の目的は東京オリンピックでの成功だけでなく、2020年以降も野球ソフトボールのオリンピックを継続して実施できるよう目指すものです。

競技発展にはWBSCアンバサダーが大きな役割を果たしています。WBSCは光栄にもメキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領を野球のグローバルアンバサダーにお迎えすることができました。オブラドール大統領とWBSCリッカルド・フラッカーリ会長が2月にメキシコシティのナショナルパレスで会談した後に行なったアンバサダー就任の発表は、メキシコの国内メデイアで大きく取り上げられました。

また、3月にはベースボールワールドカップ審判員のPo Chun Liu女史が国際オリンピック委員会(IOC)女性・スポーツワールドトロフィーをニューヨークの国連本部で受賞したことをWBSCは心をより誇りに思います。これはスポーツ界で女性の進出・地位向上に大きく貢献した人または団体に贈られる、IOCのもっとも栄えある賞です。「女子野球の母」と呼ばれる台湾出身のLiu女史は、スポーツを通して生涯女性や女子の進出を奨励する「チェンジメーカー“change-makers” 」6名のうちの一人として受賞しました。

WBSCはこうした先駆者達がわれわれの仲間であることを誇らしく思いますが、今後ももっと増えていくことと思います。WBSCは会員数、大会や意思決定の場に関わる人の数も増えています。今後アスリート以外の人が選手と同じように活躍していくでしょう。

主な国際大会スポーツサミットもWBSCの野球ソフトボールグローバル化にとても重要な役割を果たしています。オーストラリアのゴールドコーストで行われたスポーツアコードのスポーツフェスティバル2019でベースボール5が紹介され、オーストラリア野球連盟の少年少女たちが模範試合を披露し多くの注目を集めました。この試合をGAISFのRaffaele Chiulli会長、ASOIFのFrancesco Ricci Bitti会長、パン・ギムン元国連事務総長が観戦しました。主要国際スポーツ関係者たちからも高い評価を得ており、私たちは然るべき人たちから支援されていると言えるでしょう。

大会シーズンが終わり、WBSC総会でこの忙しかった1年を締めくくりましたが、同時にまたWBSCへ加盟した新メンバーを迎えました。

野球ソフトボールのグローバル化に取り組むWBSCの会員数はこれで会員数計198(野球78、ソフトボール69、合同51)、さらに準会員は13になりました。

また理事会では、以下の年齢カテゴリー大会の出場チーム数変更が決定されました。

  • U-18 女子ワールドカップ –  2022年は16チームから12チームに変更
  • U-15 女子ワールドカップ – 2021年と2023年は12チームから8チームに変更
  • U-12 男女混合ワールドカップ – 2021年と2023年は12チームから8チームに変更

そして堺市で行われた総会は非常に意義ある大きな催しとなりました。特にNPBの加藤良三氏や熊崎勝彦氏が勲章を受賞し、さらにデール・マックマン氏もその功績を認められWBSC史上初のゴールデンダイヤモンド賞を受賞するなど、球界のレジェドたちも出席してくだり、非常に意義ある大きな催しとなりました。

さらに女子野球スターの六角彩子氏が総会前日に革新的なワークショップを行いましたが、これはスター選手たちの経験と知識がWBSCの輝かしい未来の礎を築く助けとなる良いお手本となりました。」