2020年 世界パンデミック禍でも成長続ける野球ソフトボール

2020年 世界パンデミック禍でも成長続ける野球ソフトボール
03/12/2020
2020年年度末レポートシリーズの第一弾では、COVID-19禍の影響にも関わらず成長を続けたWBSCの発展について振り返る。 野球とソフトボールの競技人口は現在およそ世界140の国と地域で6500万にのぼる。WBSCは今後10年間段階的な発展プランとともに加盟会員を支援することを目標としている。

野球ソフトボールを世界最大の競技に成長させるため、WBSCは今年度インパクトある発展プロジェクトを展開する戦略とともに開始した。アジアのコーチセミナー、タンザニアでのアフリカ発展プロジェクトなどこれらのうちいくつかは今年初めの数ヶ月に行われた。

しかし2020年は誰も予想しなかった方向へと向かう。WBSCはこの困難な状況にもすぐに適応し、オンラインコースの実施、競技の世界発展を推進するツールを提供してきた。特にWBSCアカデミーの設立はこうした新しい世界に合わせた主なツールであるといえよう。ベースボール5オンラインコースはアフリカやアジアのコーチを対象に行われた。

WBSCアカデミーは2021年にフル活動を開始する。WBSCは今後も、選手、コーチ、役員、世界中のファンに向けて、世界クラスの教育ツールを提供し続け、地球上の隅々まで競技を推進していく努力を今後も続けていく。


WBSCアカデミー

11月にWBSCはアカデミーを開校した。これはアスリート、コーチ、役員、各国連盟に野球、ソフトボール、ベースボール5などに関する様々なトピックの自習学習を提供し奨励する画期的な発展事業の一つ。

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は「この新しいオンラインラーニングプラットフォームは特に野球ソフトボール新興国など世界に競技を広めるまたもう一つの力強い一つの手段として加わりました。」

「パンデミックの影響で会員連盟にとってこのオンラインラーニングツールの必要性がより高まりました。またその一方で、WBSCアカデミーはわれわれの活動での二酸化炭素排出量減少の目標にも貢献しています。」

「COVID-19が私たちのムーブメントを規制するこのような時ですが、野球ソフトボール発展のための新しい支援方法を見つけ新たな規範に適応し続けることは重要です。」

最初に行われたオンラインココースはベースボール5、そして視覚障害者のための野球について扱った。これは各国連盟に競技について知り、展開してもらうことを目的としたもの。イタリアの協会 (AIBxC, Associazione Italiana Baseball per Ciechi) が英語とスペイン語でコースを開いた。

WBSCコーチ委員会はその後、コーチライセンシングプログラムの一環として「草の根野球/ソフトボール」に関するコースを開いた。このe-ラーニングプログラムの目的はこれからコーチを希望する人や現在コーチをしている人のために、世界中の野球ソフトボールの新たな選手の育成するために必要な知識とツールを提供して、育成者を教育することだ。

そのほかのコースも今後予定されている。受講希望のコーチは、まずサイトのMyWBSCページからログイン登録をし、それからWBSCアカデミー部門に記載されるリストの中から好きなコースを選ぶ。詳細はこちら


アフリカ振興プロジェクト

WBSC振興委員会とアフリカ野球ソフトボール協会 (ABSA)が2017年に南アフリカのヨハネスブルグで行ったWBSCアフリカ野球サミットで生まれたアフリカ振興プロジェクト(ADP)は、COVID-19パンデミックが拡大する2020年最初の数ヶ月まで行われていた。

2月にADPは人口よそ5700万人の東アフリカのタンザニアで紹介され成功に終わった。定員35名全てが参加したワークショップは首都のアザニア中学校で行われた。振興や運営セミナーはタンザニア野球ソフトボール協会(TaBSA)と協力してWBSCが実施した。

「アフリカ全土でADPの努力の成果が見えています。」とアフリカソフトボールの大陸副会長で、南アフリカソフトボールの会長Mashilo MATSETELA氏はU-18男子ソフトボールワールドカップ の時にWBSCのインタビューで語った。「アドミニストレーションやリーダーシップコースがいくつかの国で行われましたが、大変好評でした。」

タンザニアはコートダジュール、ケニア、レソト、南アフリカ、ザンビアに続いてプログラムに参加した6カ国目となった。

ADPはアフリカ全土で3段階に分けて野球ソフトボールを振興することを目標としている。第一段階では国内連盟スタッフのマネジメントスキルの発展、第二段階は連盟の技術的発展、第3段階ではWBSCが国内連盟の大会運営をサポートする。

「以前より認定コーチが増加し、技術コースなどが多く企画されてアフリカの選手、コーチ、役員のプロ意識や技術も向上しました。」とMATSETELA会長は語った。「理想的なのはWBSC会員の数を増やし、アフリカの選手、コーチ、役員の育成と発展に力を入れたいと考えています。競技の発展には長い時間がかかるかもしれませんが、今後どのようにこのプログラムが続いていくか楽しみにしてます。」


マレーシアとベナン共和国でコーチセミナー

WBSCは1月10日から15日までアジアソフトボール連盟と初のソフトボールコーチ認定セミナーの第一、第二レベルを開催した。成功裏に終わったこの催しはマレーシアソフトボール協会、ペナンスポーツカウンシルの支援を得て行った。マレーシアから44名、そのほかの国(ブルネイ、香港、インド、フィリピン、シンガポール、チャイニーズタイペイ、タイ)から24名の合わせて68名のコーチが参加した。

「また大切な一歩を進みました。」とアジアソフトボールコーチ委員会の委員長で日本ソフトボール副会長の三宅豊氏はコメントした。「私たちの目標はソフトボールのコーチが最高のコーチングレベルに達成できるように、適切なコーチシステムを整備することです。」

2019年最後の数週間、WBSCはベナン共和国野球ソフトボール連盟のための野球、ソフトボール、ベースボール5テクニカルコースを行った。このコースはオリンピック・ソリダリティ基金により、ベナン共和国オリンピック委員会とスポーツコミッティーが行った。各国からこのコースに参加したのは計28名(男性24名、女性4名)。

「この催しはベナン共和国のコーチ能力を補強・強化することです。」とベナン共和国連盟のFernando Lavenir ATANNON会長は語った。「このコースは大成功でした。」


アフリカとアラビア語圏でベースボール5が拡大

WBSCのアーバン型野球ソフトボール競技・ベースボール5はCOVID-19パンデミック禍の間も世界中で急速に広がり続けた。WBSCはエジプト、パレスチナ、イラク、シリア、アルジェリアでコーチを対象としたオンラインコースを実施し、年齢カテゴリー別のベースボール5のルール、基本的な競技のメカニズム、フィールドの作り方、準備練習、ドリル練習、プレー方法(男子、女子、男女混合)などを図や動画などを使って説明された。

エジプトのコーチを対象としたベースボール5基礎コースは2020年9月11日にWBSC、アフリカ野球ソフトボール、チュニジア野球ソフトボール協会の監修で行われた。このコースには27名のコーチが参加した。

8月、WBSC大陸インストラクターのChedli MOKRANI 氏(チュニジア) がアラビア語圏で初のベースボール5セミナーを行い、パレスチナ、イラク、シリア、アルジェリアから24名のコーチが参加した。この企画はチュニジア野球ソフトボール連盟の支援でも運営された。このウェビナーは3セッション、計5時間続いた。第一セミナーはベースボール5のルール、二つ目は準備や守備について、最後のセッションでは打撃、試合管理など。

ベースボール5のコースは今後WBSCアカデミーでも行われる予定。


WBSCコーチ委員会がワークアウトシリーズを公開

6月23日のオリンピックの日に合わせて、WBSCコーチ委員会はIOCの#StayStrong, #StayActive, #StayHealthyの一つとして、健康的な身体活動の重要性の認知度を上げることを目的としたワークアウトの動画シリーズを発表した。

WBSCコーチ委員会は自宅自粛期間でもエクササイズをするよう奨励する12の動画を発表した。

3月、WBSCコーチ委員会は野球やソフトボールの選手、ファン、役員などがそれぞれが母国語でメッセージを送りパンデミック禍でも健康で安全に暮らすようメッセージ動画を発表した。