2021年間総括 WBSCの多々なる成果を振り返る
30/12/2021 1 記事を読む目安時間

2021年間総括 WBSCの多々なる成果を振り返る

2021年間総括特集最終版は、輝く未来を前にグラウンドの内外でWBSCが達成した今年の多くの成果を振り返る。

2020年という困難な1年を乗り越え、2021年世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は野球とソフトボール界がオリンピック競技に待望の復帰を果たすなど、両球技が再び一つになって多くのことを達成した。

東京2020での野球ソフトボールの待ち焦がれたオリンピック復帰を達成したことに対し、WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は関係者に向けて感謝のメッセージを送り、WBSCのベンチュウ・ロー事務局長もこの1年のグラウンド内外での成果を振り返りながら年末の挨拶を述べた

今回の特集では世界中の野球ソフトボール界は多くのことを達成した数多くの成果を今一度ここで振り返っていく。


新競技

今年WBSCはベースボール5やeスポーツを新競技として盛り込んだ新たな定款を承認した。これによりこれまで以上の多くの人々に野球ソフトボール競技の扉が開かれる。特に若者を対象にした男女混合のアーバンスポーツで、オリンピックムーブメントや国際オリンピック委員会(IOC)のアジェンダ 2020+5に則したベースボール5は大きく発展をみせた。この5人制スポーツは手軽に楽しめるスポーツとして野球ソフトボールのグローバル化を後押しし、急速に人気を増してすでにユースオリンピックダカール2026の大会実施も決定している。

WBSCの最新競技として承認された eスポーツも注目された。新設オリンピックバーチャルシリーズ(OVS)の参加が大成功に終わり、この盛り上がりが東京2020オリンピックへの盛り上がりへの一助となった。WBSCは次のOVSを期待するとともに、モバイル、バーチャル、オンラインゲーミングなどの eスポーツ戦略を2022年にさらに拡大していく予定だ。


大陸の発展

2021年WBSCがもっとも野球ソフトボール発展を遂げたのはアフリカだろう。オリンパアフリカ財団(Olympafrica Foundation) とアフリカ国内オリンピック委員会連合(ANOC)との覚書を締結し、アフリカでの野球、ソフトボール、ベースボール5が推進されることになった。また、これら3団体との合意で、スポーツを通して特に若いアスリートのための社会的、経済的、個人的育成の推進、オリンピックムーブメントの価値や理念の推進、そしてスポーツ共有の利益、活動、教育を通して平和を推進する。

WBSCはまたヨーロッパ野球ソフトボールのリーダーたちととも新たなWBSCヨーロッパ連盟の定款を承認。ヨーロッパ野球とソフトボール連盟の統合を果たし、2022年よりWBSCヨーロッパが始動する。この統合によりヨーロッパは新たなガバナンス組織でさらに野球ソフトボールを大陸全体で推し進めていく。

WBSCのインハウスメディア「Base International 」もまたパンアメリカン野球連盟 (COPABE, Confederación Panamericana de Béisbol) と合意し、COPABEブランド大会の拡大を目的として大会のプロモーションや商業権利を担うことになった。


アカデミー

1年前、WBSCはWBSCアカデミーを開設し、これが世界の野球ソフトボール界にとって貴重な教育ツールであることを証明した。この12ヶ月だけで77カ国の連盟から1391名が登録している。

WBSCが開設したアカデミーでは野球、ソフトボール、ベースボール5に関連したさまざまなトピックを効果的に一人で学習できる。この画期的なオンラインラーニングプラットフォームはさらにすでに野球やソフトボールが根付いている国だけでなく新興国でも競技の人気の拡大ツールとして利用されている。2022年もWBSCはアカデミーに価値あるラーニングツールを加えていく意向だ。


良質のガバナンス

WBSCは世界の野球ソフトボール界のインクルッシブと多様性の実現に務めており、野球、ソフトボール、ベースボール5での男女平等を推進することを目的として、女性発展委員会を「WBSC多様性・包括性委員会」に拡張した。

今年はWBSC多様性・包括性委員会はWBSCインテグリティユニットとともに世界の野球やソフトボール界へのリソースとして女子野球と男女平等についての2つのコースを行った。

WBSCはまた、良質なガバナンス体制を確立している大陸連盟や国内連盟から調査を行い、WBSCのガバナンス体制強化を図ってる。さらに、定款、ポリシー、規約、ガイドラインを見直し、より高いインテグリティとガバナンス基準を取り入れた。

野球、ソフトボール、ベースボール5ワールドカップ新大会の入札に関するガイドラインもまた今年発表され、WBSCの今後の大会地決定のための入札過程の規則化、簡略化を実現した。

2021年はWBSCが数多くの成果を上げた1年であったが、2022年もまたさらに野球、ソフトボールを世界中で発展する機会を数多く提供する予定だ。大会や試合を安全かつ適切な運営・実施し、実践を続け、変化を受け入れながら、WBSCha世界中の野球・ソフトボールファンののために進化していく。

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