2021年総括 WBSCアスリート委員会がセーフガーディングキャンペーン啓発活動で大きな役割
07/12/2021 1 記事を読む目安時間

2021年総括 WBSCアスリート委員会がセーフガーディングキャンペーン啓発活動で大きな役割

委員会のマリア・ソートとジャスティン・フーバー共同委員長は東京2020「Time Experience」に活発に参加し、委員のランドルフ・オドゥバーはU-23野球ワールドカップ閉会式にWBSC執行役員会を代表して出席した。

昨年の「 #StayHealthy、#StayStrong、#StayActive」啓発キャンペーンに引き続き、WBSCアスリート委員会はWBSCの「#SafeCall キャンペーン」で大きな役割を果たした。これは2月に発足されたWBSCインテグリティユニット(ベンチュウ・ロー事務局長が委員長)の「#SafeCall キャンペーン」の一つだ。

WBSCの安全保護キャンペーンはアスリートの権利や利益を守ることを目的としたもので、WBSCアスリート委員会がセーフガーディングオフィサーを任命し、WBSC大会に派遣する。そして大会で差別、いじめ、虐待があった場合その内容を報告し、然るべきフォローアップを決定する。

WBSCはセーフガーディングについての啓発キャンペーン動画を公開した。その第一弾は「スポーツにおけるいじめ&虐待とは何か?」というタイトルで、動画では共同委員長のマリア・ソトや委員のアシュレー・ステファンソン、ポーリーン・ブレード、ブルーノ・モトローニなどが語った。

動画第2弾は今年 U-23野球ワールドカップに先立って発表され、共同委員長のジャスティン・フーバーとソートがそのほかの委員エリカ・ポリドーリ、ランドルフ・オドゥバーとともにWBSC大会でいじめや虐待があった場合に取るべき対処などについて説明した。

「WBSCアスリート委員会はアスリートの健康と安全のために2019年執行役員会で満場一致で承認されてましたが、その後の次のステップに進むことはとても大切でした」とフーバーは語った。

オドゥバーはWBSC執行役員会の代表として U-23野球ワールドカップ閉会式に出席。ポリドーリと委員会調整役のエイミー・パークは第一回IOC国際セーフガーディニングオフィサー講習会に現在参加している。二人は8ヶ月のコースを終了すると初の公認セーフガーディングオフィサーの一人となる。

「公認オフィサーになれば、ルドルフとエリカは専門知識を備えてWBSC大会に立ち会うことができます。そして専門家としてセーフガーディングオフィサーを任命することもできるのです」とフーバーは語った。「これはアスリート委員会にとっても大きな分岐点になります。これによりWBSCインテグリティユニットや執行役員会の力となり、アスリート代表が重要な存在となって大会での選手たちの安全とウェルビーングを保てるように監督し続けることができるでしょう」とフーバーは加えた。


2021年は新型コロナウイルスのため、アスリート委員会のメンバーが大会に立ち会える機会は限られていた。「過酷な1年でした。新型コロナウィルス禍が1年中つづき、大会に参加することも不可能でした」とパンデミック禍での委員長としての役目を果たすことの難しさを語った。

ソートもフーバーも東京2020もオリンピックには参加したが、これは国際オリンピック委員会の「Games-Time Experience」というバーチャルな場での特別ゲストという枠組みの中だった。この中でWBSCはIOCと提携し、野球・ソフトボールのバーチャル体験をIOCのトップスポンサーに提供した。ソトもフーバーもWBSC専門家としての役割を果たした。

「公式GameTime Experienceに参加することは東京オリンピックへの小さな貢献であったかもしれませんが、私個人にとっては意義のある経験でした。私の14年間の国際大会やプロとしての野球体験を話すチャンスに恵まれ、IOCパートナーの皆さんの役に立てて嬉しいです。すでに引退した身ではあっても、私はオリンピック精神を世界中の人々に伝えるお手伝いを続けることができました」

「私自身のオリンピックは苦い思い出です。」と2008年北京オリンピックでベネズエラ代表チームのキャプテンで、旗手を務めたソトは語った。「今回私たちはオリンピックにはいけませんでしたが、アスリート委員として参加し私の野球人生から得た知識を世界中の人々と共有できました」

エリカ・ポリドーリはWBSCアスリート委員を務める現役選手で、カナダ代表として銀メダル獲得に貢献した。ショートとして6試合、左翼手で3試合に出場し、カナダがメキシコを破り銀メダルを手にした。


またWBSCアンバサダーの六角彩子氏とコーチ委員会のジョバンニ・パンタレオーニ、オドゥバー、ステファンソンは試合不正操作予防キャンペーンのIOCアンバサダーに就任した。

WBSCインテグリティユニットはIOCやIOCアンバサダーと連携してアスリート、オフィシャル、スタッフを対象に国際スポーツに関する最新情報を提供する講習を行っており、最近では試合不正操作予防をテーマとしてウェビナーを行った。

最後にフーバーは「全てのアスリートたちとともにこの2年間取り組み続け、彼らのウェルビーング、メンタルヘルスや安全性がより重要に捉えられるようになりました。今後もWBSC執行役員会、インテグリティユニット、職員とともに2022アジェンダの最優先事項として尽力していくつもりです」と結んだ。