2022年特集
30/12/2022 1 記事を読む目安時間

2022年特集

2022 年は WBSC にとって歴史的な年であり、フィールド内外で数多くの新プロジェクトが立ち上げられた。

2022年は、予定されていた大会が全て開催されるなど、世界野球ソフトボール連盟は多くの成果を達成した。

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長が年末のメッセージで触れたように、2022年はWBSCにとってU-12、U-15、U-18、U-23野球ワールドカップ男子とU-12男女混合大会などが行われた歴史的な年となった。男女混合 ソフトボール ワールド カップに加えて、史上初のブラインド ベースボール インターナショナル カップ、バーチャル カップ、壮大なベースボール 5 ワールド カップも行われた。

WBSC Events Calendar 2022

今年のパシフィック ミニゲームズやワールド ゲームズなどのマルチスポーツ イベントに野球とソフトボールが参加できたことで、国内連盟の代表チームの活躍の場が広がり、国内オリンピック委員会からの支援を得る貴重な機会となった。

来年も中国の杭州で開催されるアジアンゲームズやチリのサンティアゴで開催されるパンアメリカン競技大会などの複合競技大会への参加するが、こうしたことからも野球とソフトボールは世界的に人気があり、私たちの競技とアスリートはこうした大会に付加価値を与えていることを証明していると言えるだろう。

ベースボール5ワールドカップ

今年は、11 月にメキシコシティでベースボール 5 ワールドカップも初開催され、新しいチームの参加や驚くべき結果など大成功を収めた。チュニジアはWBSC大会に参加する世界 79 番目の国/地域(アフリカとしては9 番目)の国としてメキシコで WBSCワールドカップ初出場を遂げた。

World Cup Appearances

メディア エンゲージメントの面でも、TikTok との提携、オリンピック チャンネルをはじめとする複数のプラットフォームでの世界レベルの番組制作、ライブ放送、ストリーミングなどが展開された。

2017年のベースボール5発足以来、野球とソフトボールは大きく成長を遂げている。2023年のWBSCユースベースボール5ワールドカップ、2026 年のダカールで開催される初めてのユース オリンピックなど今後も大きな飛躍が期待される。

WBSCはベースボール 5 の教育と普及に大きな力を入れており、すでに英語、スペイン語、ドイツ語、アラビア語、アルバニア語で利用できるツールキットを作成し、学校向けの優れたツールとして役立っている。

ベースボール 5 ツールキットは、ユネスコの「質の高い体育」および「保護のためのスポーツ ツールキット」と連携し、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) およびオリンピック難民財団によってリリースされた。

若い人たちにとってスポーツは身体的スキルを高めるだけでなく、社会的連帯、社会的包摂、心理社会的幸福など全ての面での彼らの成長を促す大切なツールなのである。

eスポーツ

WBSCがニューディン社と提携して初めて開催したe スポーツ イベントの WBSC バーチャル カップは、2022 年のもう 1 つの大きなサクセス ストーリーとなった。参加者を一般公募したこの新大会のオープニング ラウンドには 8,146 のエントリーが記録され、韓国で行われたファイナルは大成功に終わり、この最新競技の未来への期待が大きく膨らんだ。このイベントは録画され、2023年の初めにゴールデンタイムのテレビで放映されることが決まっている。

来年は、同じくWBSCの重要なパートナーである KONAMI社と協力し、Olympic Esports Weekなど eSports でさらに活動を展開する。オリンピックeスポーツの創設メンバーとしてWBSCはさらなる重要な役割を担い、 2021年の初大会を超える成功を目指す。

スポーツ・フォー・オール

オランダのベークで初のブラインドベースボール インターナショナル カップが開催され、優勝者には初の WBSC 点字トロフィーが授与された。またWBSCはVIRTUS (知的障害を持つアスリートのための国際スポーツ連盟) と MOU を締結、今後もWBSCはスポーツへのアクセシビリティを高めていく。

一方、車いすソフトボールは、WBSC がパラスポーツ競技の発展に向けた取り組みを強化するために、各国連盟や大陸連盟を通じて奨励し続けている。

WBSC総会 

パンデミック以来初めてWBSC総会が対面で行われ、世界中の野球とソフトボールのコミュニティが台北市に集まった。当初は 2021 年に予定されていたこの総会では、リカルド フラッカーリ会長が再選されたほか、新執行役員、野球委員、ソフトボール委員のなどが決定された。

ブータン、カーボベルデ、サウジアラビア、トンガ、そしてベーブ・ルース・リーグも総会で新会員に批准された。 WBSCは今や世界 140 以上の国と地域で約 6,500 万人がプレーする。こうしたWBSCの成長は野球/ソフトボールの世界的な発展と進化を反映している。

WBSC Members

WBSC総会はまた、フィールド内外で世界の野球とソフトボール関係者が達成した多くの重要な成果を振り返る絶好の機会でもあった。WBSCは今後もイノベーション、改革を続け、世界中の人々が関わる機会を作り続けていく。

グッドガバナンス

WBSC の既存の 9 つの目標に基づいて作成されたWBSC 2022-28 戦略計画が今年初めに発表された。 IOC のアジェンダ 2020+5 に沿って作成されたこの戦略は、WBSC が継続的かつ持続可能な発展を推進するための重要なツールだ。

インテグリティ コードは、国際的な野球およびソフトボール コミュニティにおけるインテグリティとガバナンスを強化するためにも始まった。 WBSC は、透明性、優れたガバナンス、クリーンで安全なスポーツの保護を重要な優先事項としている。インテグリティ ユニットの活動を通じて、WBSC は引き続きベスト プラクティ目zし、フィールド内外でフェア プレーを常に保護するよう進んでいく。

この分野における WBSC の進歩は、今年の ASOIF ガバナンス レビューに非常に前向きに反映された。 WBSC は、ASOIF アソシエート メンバーの中で最高ランクの IFとして認められ、規模・リソースで平均以上のスコアを獲得し、A2 グループに到達。全体として、WBSCの 46ポイントのスコア上昇(全体平均14ポイント)は、参加した IF の中で 2 番目に大きいものだった。

アスリートの重要性

WBSC は組織内でのアスリートの重要性は高まっており、現在 WBSC 執行役員会と野球およびソフトボール委員会全体でアスリート代表のポジションは8席に増加した。

WBSC インテグリティ ユニットは、WBSC 教育計画 2021-2024 の一環として、2022 年も引き続き「Play Ball, Play Fair」キャンペーンを実施。年間を通じて、国際検査機関 (ITA) と協力して、国内競技連盟向けのドーピング防止と検査の概要について学ぶ無料のウェビナーが多数開催された。

WBSC はまた、クリーンなスポーツとクリーンなアスリートを保護する取り組みの一環として、ITA とのパートナーシップを延長拡大。今年、WBSC は、ITA プラットフォーム REVEAL を通じて、情報共有、調査、サンプルの長期保管、ドーピング違反の機密報告などを強化した。

これはすべて、私たちのスポーツの心臓部であり魂であるアスリートたちが、公正でクリーンな競技場でスポーツの卓越性を発揮する機会を確保できるようにするためだ。

WBSC はまた、試合の不正操作からのスポーツ保護を強化するために、Sportradar Integrity Services との 2 年間の提携を発表した。 Sportradar の Universal Fraud Detection System は現在、すべての WBSC 国際大会に適用され、平等な競争の場を確保している。

スポーツのもう 1 つの重要なトピックであるセーフガーディングは、アスリート委員会のメンバーであるランドルフ・オドゥバーとエリカ・ ポリドリ、および委員会のリエゾンであるエイミー・ パークが IOC公認セーフガーディングオフィサーとなり、さらに強化された。

 WBSC のセーフガーディングへのコミットメントに関しては組織の定款に明記されている。アスリートが差別、嫌がらせ、いじめを恐れずに競技やトレーニングを行う権利を確保することを目的とし、スポーツや社会にこうした差別や嫌がらせが存在してはならない。

エキサイティングな2023年

2023年には、野球とソフトボールの各年齢カテゴリーのワールドカップや、WBSC女子ソフトボール、野球ワールドカップが新形式で実施されるなど、多くの楽しみが待っている。この新形式では2024 年の決勝ラウンドの前に 2023年のグループ ラウンドを行うことで多くのチーム参加機会を増やし、国際的な野球とソフトボール大会を開催することを目的としている。

WBSCは2022年に Corpoay1 と提携して公式グローバル FX (外貨両替) 決済プロバイダーとするほか、知的障害者スポーツ選手のための国際競技連盟・ VIRTUS とのMOU締結など、2023年を視野に入れて始まったこうした提携事業とともに、今後もより多くの人々・社会が野球やソフトボールにアクセスできるよう邁進していく。