2022年総括: メキシコシティのエル ソカロで開催された第1回ワールドカップ ベースボール5が新たな歴史の扉を開く
20/12/2022 1 記事を読む目安時間

2022年総括: メキシコシティのエル ソカロで開催された第1回ワールドカップ ベースボール5が新たな歴史の扉を開く

メキシコシティのエル ソカロで開催された第1回ベースボール 5 ワールド カップでキューバが優勝した。 WBSCのリカルド・フラッカーリ会長は「このマイルストーン大会がいかに特別で重要であるかに驚かされました。野球/ソフトボールの 5 人制バージョンの未来は明るいと思います」

2022年は WBSC ベースボール 5 ワールドカップが初開催された年として野球/ソフトボールの歴史に残るだろう。メキシコシティの象徴的なソカロで、2,000人以上の観客が決勝でキューバが 2-0 (9-1,6-2)で日本を破って金メダルを獲得した歴史的瞬間の証人となった。

フィールドでの試合だけでなくベースボール 5 というスポーツ、野球とソフトボールというスポーツにとっても記憶に残るイベントとなった。 WBSC史上初の男女混合種目であるこのベースボール5大会では ケニア、南アフリカ、チュニジアのアフリカの3チームが初めてWBSCワールドカップ大会に出場し、伝統的な野球やソフトボールでは非常にまれなプールラウンドでリトアニアが日本を破るなど、歴史に残る瞬間がいくつもあった。

WBSC大会で 2 つの MVP (男子・女子の MVP) とソーシャル MVP が授与されたのはこの大会が初。またチュニジアはWBSCワールドカップでデビューした 79 番目の国/地域 (アフリカからは 9 番目) となった。

WBSCのリカルド・フラッカーリ会長は「このマイルストーンイベントがいかに特別で重要であるかに驚かされました。2017年にベースボール5が生まれて以来、私たちが長い間目指してきた瞬間でした」とコメントした。

ベースボール 5 ワールド カップの予選が始まって以来、この大会はみるみる変貌を遂げていった。

まず、ベースボール 5 アフリカ選手権では、タンザニアのダル エス サラームで最多記録の10チームが参加。決勝では南アフリカがケニアを破り、チュニジアが銅メダルを獲得した。さらに、アジア 9 チームとヨーロッパ 14チームが参加する予選もそれぞれホテルや体育館で行われ、ベースボール 5 はまさにそのスローガン「 #PlayEverywhere 」通りのスポーツであることが証明された。

キューバの裏通りで始まったストリートゲームから生まれたベースボール5は、国際オリンピック委員会 (IOC) のユース オリンピック ダカール 2026 の組織委員会によって承認されるまで成長し、世界的な人気を獲得し続けている。

野球/ソフトボール バージョンの5人制バージョンのアーバン型競技は、バット&ボール競技の長い伝統を持つ国でなく、これまで用具や競技場などの問題から発展が困難と考えれていた国でもできる競技であることが証明されている。

2 月にはパレスチナとサウジアラビアの連盟がベースボール5に関する覚書を締結した。また今年の 3 月にはマレーシアのソフトボール協会が、野球/ソフトボール専用の施設がない国ではベースボール 5 が草の根プログラムを開始するための便利なツールであることを証明し、この競技を学校に導入する発展プログラムを開始した。

カーボベルデオリンピック委員会も 4 月にベースボール5の導入を発表し、ケニアジンバブエでは各国の野球とソフトボールの団体を集めて、ベースボール5代表チームを編成するための共同プログラムを立ち上げた。

ANOCA(アフリカ国内オリンピック連合) は、ベースボール 5 を独立した競技として教えられるだけでなく、野球とソフトボールの普及を後押しできると強く信じている。

一方、2023年には東京・町田市の桜美林大学でベースボール5が日本で初めて授業カリキュラムに導入される。担当するのは東京 2020 ファン パークでベースボール 5 のショーケースを主導し、メキシコで開催された第 1 回 WBSC ベースボール 5 ワールドカップで日本のコーチングスタッフを務めた若松健太准教授。

そして、今後の予定としては、2024 年の第 2 回ベースボール 5 ワールド カップの前に第 1 回ユース ベースボール 5 ワールド カップが来年開催。ベースボール 5 は、第 6 回アジアインドア アンド マーシャル アーツ ゲームズ、およびアフリカ国内オリンピック委員会連合 (ANOCA) により2023 年にチュニジアで開催されるビーチ ゲームで行われる。

WBSC は 2022 年にベースボール 5 のルールブックとツール キットを複数の言語で発行し、ベースボール 5 の継続的な発展をサポートするための重要な活動を行った。

ベースボール5の明るい未来と素晴らしい旅は続いていく。

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