アリエル・ミランダと中村勝が近年の野球グローバル化を証明

アリエル・ミランダと中村勝が近年の野球グローバル化を証明
18/11/2021
メキシコの日本人投手と韓国のキューバ人投手。二人の共通点はどちらも世界トップリーグとされる二つのリーグで無名からトップに登りつめたことだ。

アリエル・ミランダ(32)はキューバのハバナ出身、中村勝(29)は春日部出身だ。今季二人は生まれ故郷からはかけ離れた地球の反対側でそれぞれプレーし、ミランダは先日韓国野球リーグ(KBO)で最優秀投手に選ばれ、中村もメキシコ野球リーグ(LMB)で同賞を受賞した。

今季、ラテン系のミランダはアジアリーグの一つである韓国リーグで記録を打ち立て、アジア出身の中村は南米のリーグでトップ投手に輝く快挙を達成した。これぞ野球の素晴らしさだろう。

ミランダはこれまでMLB、MPB、CPBLなどを経て韓国の斗山ベアーズと契約した。入団当時あまり期待をされていなかったのだが、そのリーグを制して崔 東原(チェ・ドンウォン) 賞(2011年に死去した韓国レジェンドチェ・ドンウォンの名を冠した賞)を受賞した。

キューバエースのミランダは14勝5敗、防御率 2.33、225奪三振をマークした。225奪三振は同リーグのチェ・ドンウォンの記録を破る新記録樹立となった。

地球のその裏側では、中村がルイス・メンドーサに誘いを受けメキシコに渡った。メンドーサは中村とは日本ファムファイターズでチームメイトだったが、今はLMBの新規参入チーム、グアダラハラ・マリアッチスのGMに就任している。

「彼は本当にいいやつで、当時引退していたんです」とメンドーサは当時の中村について地元紙「Ariadna Ibarra」にこう答えている。

しかし、中村はもちろん単に「いいやつ」ではない。中村はこれまで52.2イニングで46奪三振、防御率3.2、8勝0敗をマーク。チームは中村がマウンドに立つ日を「Nakamura Day」と呼ぶマーケティング戦略を打ち出し、興行的にも成功を収めた。

ミランダと中村は互いに顔を合わせたことはない。しかしこの夏、二人はどちらも海を越え、野球のグローバル化を証明した。