連盟特集 マレーシアソフトボール協会 ベースボール5で競技発展の新時代が到来
30/05/2022 1 記事を読む目安時間

連盟特集 マレーシアソフトボール協会 ベースボール5で競技発展の新時代が到来

第46回マレーシア男子・女子国内ソフトボール選手権大会が6月3日から6日に開催される。マレーシアでは野球・ソフトボールの基準を満たした球場が不足していることが国内競技発展の足枷になっており、ベースボール5が発展の一助となることが期待されている。

WBSC連盟シリーズ5月号はマレーシアソフトボール協会(SAM)とそのベースボール5発展プランについて特集する。

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SAMはベースボール5により発展の転換期を迎えている。

Willeam Mah Choon How事務局長は国内の野球/ソフトボールでベースボール5の発展振興の責任者。事務局長は審判代表やコーチ委員会も加わるベースボール5委員会の委員長も務め、フィールとでも元選手たちが集まるチームを統率している。

SAMはベースボール5を学校に導入した。学校ではすでにソフトボールが小学校や中学校で国内の体育科目として取り入れられている。

「マレーシア国内には約1万校の小学校と中学校があります。バドミントンやサッカーほど有名ではありませんが、ソフトボールとベースボール5を誰にでもアクセス可能になること目指し2000校ほどで実施しています。少なくとも4万人の男子女子生徒が毎年ソフトボールを経験します」とMah氏はWBSCとのビデオインタビューで語った。

ソフトボールはマレーシアで何十年も前からあるが、1972年まで国内での大会は存在していなかった。1972年にペナン、ペラク、セランゴール州のチームがシンガポールの大会に出場したことがSAM設立の一歩に繋がった。

SAMは1974年3月に設立登録し、6州のソフトボール協会と2つの準会員から始まった。現在、次の12の州の協会が加盟している。クアラルンプールソフトボール連盟、パハン野球ソフトボール協会、メラカソフトボール協会、カランタンソフトボール協会、ジョホール州ソフトボール協会、 ペラク野球ソフトボール協会、プラウ Pinangソフトボール協会、トレンガヌ州ソフトボール協会、 サラワク州ソフトボール協会、ヌグリ・スンビラン州ソフトボール協会、ヌグリ・ケダ州ソフトボール協会、 ヌグリ・サバ州ソフトボール協会。準会員はマレーシア大学とマジュリス・スカン・ポリテクニック。

設立以来、国内男子・女子選手権大会が行われている。1976年マレーシアは東南アジアソフトボール連盟(ASEAN)の創設メンバーとなった。それ以来、マレーシアは東南アジア大会や国際大会に男子・女子代表チームを送っており、台北の第5回世界女子ソフトボール選手権大会にも出場した。

これまでのソフトボール発展の中で、マレーシアはいくつもの問題に直面してきた。

「まずはグローブ、バット、スパイクなど用具費がかかるので、学校、先生、父兄は生徒たちにソフトボールをやらせることに積極的ではありません」とMah氏は語った。

マレーシアには今でも基準のソフトボール競技場がない。

「球場建設を目指して長い間取り組んでいますが、その戦いは今でも続いています。学校では現在、草のグラウンドでプレーしていて、基準を満たしていません。マレーシアに近い将来国際基準で常設のソフトボールとベースボール5のフィールドを作ることを望んでいます。そして東南アジア大会や国際ソフトボール・ベースボール5大会を行いたいです」と加えた。

最近では、ベースボール5が発展振興に大きな役割を果たしている。

「コストが抑えられることは大きいです。ボール一つあればどこでもゲームができるし、選手の年齢層も7歳から70歳までと大変幅広いです」とMa氏は続けた。

ベースボール5は協会の2022-2023振興発展プランに該当する。振興発展プランの大半は国内各地で開かれるクリニックや公開練習セッションなどで、すでに3月から始まった。

「2020年1月に私たちはベースボール5を導入しました。しかし2020年3月18日から新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、一切のスポーツ活動がストップしてしまいました。2022年3月はマレーシアのベースボール5にとっての新しいスタートです」

マレーシアは8月17日から19日までクアラルンプールで第一回ベースボール5アジアカップを開催する。上位3チームが新設WBSCベースボール5ワールドカップへの出場権を獲得する。

「マレーシアでのベースボール5アジアカップ開催決定に関して、アジアソフトボール(SA)会長・WBSC事務局長のベンチュウ・ロー氏に心から感謝いたします」とSAMのSee Kok Wooi会長はコメントした。「クアラルンプールで世界レベルのベースボール5を目にすることができることはマレーシアのソフトボールファンや学校の生徒たちにとって最高のチャンスです。ベースボール5を国内に広める良いスタートにもなります。マレーシアでの大会開催の実現は、ソフトボールとベースボール5をすべての人々にアクセス可能にするというわれわれの使命と一致しています」

ソフトボールに関しては、今年は6月3日から6日まで第46回マレーシア国内選手権大会が予定されている。

男子成人部門は12チーム、女子部門は8チームが出場する。

SAMは新設スローピッチ国内選手権大会が6月18日と19日に開催、男女混合大会は8チームが出場。

加盟するそれぞれの州の協会が出場チームを選出する。