あれから4ヶ月 日本がWBSCプレミア12で優勝 メキシコも初のオリンピック野球出場権獲得
17/03/2020 1 記事を読む目安時間

あれから4ヶ月 日本がWBSCプレミア12で優勝 メキシコも初のオリンピック野球出場権獲得

東京ドーム4万4960人の観客の目の前で繰り広げられた日本と韓国の宿敵の対決はSNSで大きな話題に。

決勝のスコア

東京ドームで日本が第2回WBSCプレミア12で優勝してからちょうど4ヶ月がたった。侍ジャパンは4万4960人の観衆を目の前に前大会優勝の韓国を決勝5対3で勝利し、何百万ものコメントでSNSは溢れた。

決勝の前に行われた3位決定戦ではメキシコがアメリカに歴史的勝利を果たし、初の野球オリンピック大会出場権を獲得した。

大きな注目を集めた決勝には大勢のファンが押し寄せて入場に時間がかかったため、観客の一部が試合開始に間に合わないのではと懸念された。しかし球審のプレイボールのコールが上がった時、東京ドームは満席の観客。熱気高まる決勝戦は最初の一球から見逃せない戦いを繰り広げ、ファンでなくてもプレミア12は野球一大イベントとなった。

2019年シーズン読売ジャイアンツで15勝をあげた山口俊が先発でマウンドに上がったが、誰の目にも山崎は球場の熱気に緊張しているようだった。

実際山口は一番バッターを四球で出塁させ、韓国のショートKim Ha-seonから本塁打を浴びた。さらにKim Hyun-sooもソロ本塁打を放って3対0にリードし山口は降板した。

ここでマウンドを降りた山口にとって、これで日本プロ野球選手としての最後の試合が終わった。1月からはMLBのトロント・ブルージェイズへの移籍が決まっていた。

侍ジャパンのブルペンが試合の残りを請け負った。高橋礼と田口麗斗が2イニングずつ投球し3安打に抑えた。中川皓太、甲斐野央、山本由伸、山崎康晃も1イニングずつ投げ6奪三振で韓国から一人もランナーを出さなかった。

元韓国プロ野球(KBO)のMVP・Yang Hyeonjongがマウンドに立つ。2回裏試合の潮目が変わり、日本の捕手會澤翼が四球、二塁手菊池涼介が単打で得点機を作り、山田哲人のスリーランホーマーで日本は4対1に勝ち越しを決めた。

第2回WBSCプレミア12決勝が他の国際野球大会と違うのは、東京ドームのライト側観客席(ホーム)の熱狂的な応援だろう。侍ジャパンをサポートする侍ジャパンの応援は単なるチアリーディングとは違う。試合の最初から最後まで一球残さずファンたちが選手に寄り添い真剣に応援するのだ。

2019年11月17日に行われた第2回WBSCプレミア12の決勝の勝利が、稲葉篤紀監督にとって侍ジャパン監督しての初めての大会タイトル獲得となった。

稲葉監督は2008年オリンピックでキューバを破り金メダルを獲得に貢献した韓国のKim Kyungmoonと東京2020でもまた対戦することになる。稲葉監督は当時侍ジャパンの野手として出場したが、3位決定戦でアメリカに敗れた。

4ヶ月前、NPBの斎藤淳コミッショナーも一人の純粋な野球ファンとしての感想を伝えた。

決勝後斎藤コミッショナーは「プレミア12は本当にエキサイティングでした。出場者全てがすばらしいプレーをし、ファンも心から楽しみました。グローバルな野球は本当に楽しい。チームのレベルも高かった。日本がもちろんこの大会を一番楽しんだと思いますが、どのチームもよく頑張ったと伝えたいです。多くの感動や興奮を生み出してくれました。」と語った。

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は、通常予選を通過して本戦への出場を決める他のWBSC大会と違い、世界ランキングの上位チームが参加する形式が大きな成功をもたらした、というこの大会の独特性を強調した。「世界ランキングの結果に基づいていますが、ランキングの順位によって各国の野球国力がわかりますが、そのポイント付にはユース大会なども含まれます。プレミア12は、ある意味、野球の国際化・グローバル化に貢献しているのです。」と語った。

2023年の次のWBSCプレミア12の開催が今から待ちきれない。