稲場監督「日本の野球の強さを世界に送れた」 日本、アメリカの監督や選手がオリンピック野球決勝を振り返る
07/08/2021

稲場監督「日本の野球の強さを世界に送れた」 日本、アメリカの監督や選手がオリンピック野球決勝を振り返る

アメリカのマイク・ソーシア監督は「夏季オリンピックに野球が継続されて行われないのは本当に不思議だ」と語った。

オリンピック決勝で日本がアメリカに2対0で勝利し、日本はオリンピック野球競技で初の金メダルを獲得した。

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日本の三塁手・村上宗隆が3回裏、先発ニック・マルティネスから勝ち越し本塁打を放った。

「金メダルをとれてうれしいです。侍ジャパンの一員であることを誇りにおもいます。先発がこの試合頑張ってくれて、3回で打席に立った時、1点とれば勝てるだろうと思っていました」と村上はコメントした。

マルティネスは「村上の放った本塁打はすばらしかった。(捕手の)マーク(コロズバリ)と自分はここは変化球だろうと互いに確信して投げました。しかし私の一番いい球を村上は当てたので、お手上げです」と村上の活躍を称賛した。

日本の先発森下暢仁は5イニング、わずか3被安打に抑えた。

「稲場監督が今日先発で出場すると言ったとき、最初の一球から自分の持てる全てを出そうとおもいました。そして自分の後にはいい投手が控えているので大丈夫だと思いました」と森下は語った。

千賀 滉大、伊藤大海、岩崎優、栗林良吏がその残りを継投リレーで封じた。

「森下はいいスタートを切ってくれ、村上先制点をよく打ってくれました」と日本の稲場篤紀監督は語った。「どの投手もよく投げてくれましたし、守備もしっかり守ってくれました」と稲葉監督は語った。

「後攻の日本が今夜試合を制しました。今夜はわれわれは本塁に縁がなかった」とアメリカの三塁手・トッド・フレイザーは言う。「得点の機会もあまり作れず、これでは勝てるわけがありませんでした」と反省を口にした。

「日本はすばらしいチームです。優れたコーチングと優れた規律と予想通りの素晴らしさでした。心から日本の優勝をお祝いをするとともに、わたしたちが対戦したすべてのチームを祝福したいです。毎日過酷な戦いでしたが、6チームすべてが最高のプレーでした。そしてアメリカチームの選手もまた国を代表して精一杯戦いました。彼らを心から誇りにおもいます」とマイク・ソーシア監督はほめたたえた。

ソーシア監督は「野球が夏季オリンピック競技で継続して行われないことが不思議で仕方ありません」と加えた。

また稲葉監督は余談として、「私は2017年に侍ジャパンの監督に指名されました。それ以来金メダルだけのことを考え、この4年間多くの選手たちをみて最終的に24名を選抜しました。彼らはすばらしい活躍をみせ、目標を達成してくれました。この勝利は多くの人々のおかげです。若い選手たちはこれから自分の球団にもどり、オリンピックで学んだ経験をチームメイトに伝えてほしいとおもいます。未来のために国際野球の文化を作り上げたいですね」と語った。

「自国開催のオリンピックで優勝することは格別です。自分が選手として出場した北京オリンピックでの借りをこれで返せました」と加えた。

稲葉監督は「二塁手の菊池涼介がロッカールームで金メダルを首にかけてくれましたが、メダルの色の美しさと重さに驚きました。金を取ることによって、日本の野球の強さというものを世界に見てもらう。またこれをきっかけに、野球を始める子供も大人もそうですけども、野球をもっともっと世界に普及できる。少しでも日本の野球というものを世界に強さを送れたのではないかと思います」と思いを口にした。

最後に稲葉監督は日本の野球について「日本の野球というのは、投手中心とした守りの野球、そこから攻撃に移るという野球。よくスモールベースボールという表現をしますが、私はスピード&パワーというものを掲げてやってきました。そこにはもちろんスティールであったり、エンドランであったり、バントも含めて細かい野球も含めて、日本の野球だというふうに思っております」と総括した。