国際女性デー 男子野球を開拓する女子選手たち

国際女性デー 男子野球を開拓する女子選手たち
08/03/2021
WBSC女子野球ワールドカップ2018でアメリカ代表として出場した投手ステイシー・ピアーニョ(写真)は、男子野球リーグ初の女性バッテリーの一人だった。

先週のニュースでWBSC女子野球ワールドカップ2018でカナダの銅メダル獲得に貢献したAlli Schroderが10代にして初の女性選手としてカナダ大学野球カンファレンス (CCBC)で野球選手としてプレーすることが発表された。このニュースを受けて、今回は野球界を開拓する女性たちを振り返ってみる。

オーストラリア・ブリスベン出身Luis Gauci(20)は2021-22シーズンに北アメリカの大学野球でプレーするための奨学金を獲得した。彼女はアメリカ、ワシントン州オーバーンのグリーンリバーカレッジでプレーする。Gauciは12歳の時から野球を始め、香港で開催WBSC公認の女子野球 フェニックスカップ  2017に10代で国際舞台デビューをした。

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2020年3月カナダバンクーバー出身のMarika Lyszczyは、フィンランディア大学(ミシガン州ハンコック)との対戦でリバーカレッジ(ニューハンプシャー)のアンソニー・メレと交代して、大学野球で女性初のキャッチャーとなった。

1975年生まれのIla Brodersは男子大学野球のために初めて野球奨学金を獲得した女性だ。彼女はサウスカリフォルニアカレッジで1994年から1996年までプレーし1997年にはリッターカレッジでプレー。左腕投手のIla Brodersは北米独立リーグのセントポールセインツでプレーした。1997年5月31日に彼女はデビューした。その後 Duluth Superior Dukes にトレード移籍したが、1998年度1999に戻った。2000年にBordersは ウエスタンリーグのZion Pioneerzzに移籍、2017年には自伝「Making My Pitch: A Woman's Baseball Odyssey(私の投球・女子野球の軌跡)」を出版した。

1992年生まれの吉田えりは横浜から2009年に渡米した。 吉田はファンであるティム・ウェイクフィールドと同じぐらい速いナックルボールを投げたいと思っていた。吉田はアリゾナ秋季リーグに出場、愛称は「ナックル姫」。吉田はアメリカと日本の独立系プロ野球リーグでプレーした。

1997年生まれのSarah Hudekはルイジアナ大学で投手・外野手として活躍した。左投げのSarah HudekはWBSC女子野球ワールドカップ2014年にアメリカ代表として出場し、ボージャー・パリッシュ・コミュニティカレッジに投手としての奨学金を獲得した。2015年にデビューを果たし初の女性投手となった。 

また2015年にはフランス人の遊撃手Melissa Mayeuxが メジャーリーグ ベースボール(MLB)の国際登録リストに乗る初の女性選手となった。

Mayeuxは現在フランスのトップ野球リーグMontpellier Barracudaで活躍している。

投手 Stacy Piagno(当時25才)と外野手Kelsie Whitmore (当時17才)は2016年に独立型パシフィックリーグの Sonoma Stompers と契約した。Stompersはまたその後、バーミンガム・アラバマ大学の元ソフトボール捕手でWBSC女子野球ワールドカップに4回出場している Anna Kimbre(1990年生まれ)とも契約している。

PiagnoとKimbrell は男子野球リーグ史上初の女子バッテリーとなった。二人はともにWBSC女子野球ワールドカップ2019にも出場している。

Toni Stone (1921-1996) は男子野球リーグで初めてプロ野球でプレーした女子選手で、1949年に西海岸ネグロ野球協会リーグのサンフランシスコ・シーライオンズでプレーした。しかしStoneはついに一度もオールアメリカ・ガールズプロ野球リーグでプレーできなかったという。Stoneの死後に掲載されたワシンポストの記事によると、このリーグは「美しい容姿のある白人女性に限る」という制約があったからだという。


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