日本がソフトボール金メダル 上野「自国での開催は大きなプレッシャーだった」
27/07/2021 1 記事を読む目安時間

日本がソフトボール金メダル 上野「自国での開催は大きなプレッシャーだった」

金メダル獲得後のインタービューで、日本の宇津木麗華ヘッドコーチは「上野にしかできないことだった」と上野を賛辞した。勝利投手の上野は重圧と6回救援に立った20歳のリリーフ後藤希友について語った。アメリカのケン・エリクセンヘッドコーチは「今日はついていなかった」と振り返り、日本チームの勝利を祝福した。

東京2020ソフトボール金メダル決定戦で日本はアメリカに2対0で勝利し、オリンピック金メダル連覇を達成した。日本は東京2020で10個の金メダルを最初に記録した。

4回アメリカは投手アリー・カルダ。渥美万奈が内野安打で一塁へのヘッドスライディングで日本は先制点をもぎ取ると、さらに5回山本優のタイムリーで日本は2対0にリード。

後藤希友が6回先発上野の救援にたち、守備も後藤を援護した。三塁の山本優の腕に当たって弾いた打球をショートの渥美万奈が空中でキャッチするファインプレーで、アマンダ・チチェスターをダブルプレーで仕留めた。

7回上野は再登板し、最後の3アウトを奪い試合が終わった。

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「上野にしかできませんでした。正直言うとこの1週間怖かったです。国民のみなさんが支持してくれたことがわれわれの一番の力になったと思います。感謝の気持ち、それだけです」と日本の宇津木麗華ヘッドコーチは感謝を口にした。

「前回の金メダルと違って、地元開催でプレッシャーが大きかったです。このマウンドに立つために13年間、いろいろな思いをしてここまで来られた思う。そういう意味では“投げられなくなるまで、絶対投げてやる”という思いで先発マウンドに立ちました」と上野由岐子は語った。

「緊張しすぎていました。今まで4試合に登板したときとは違う空気をマウンドで感じていて初戦より緊張しました」と20歳の後藤希友は振り返った。

「途中、リリーフで投げてくれた後藤が顔面蒼白で、いっぱい、いっぱいで投げてくれたのを見て、逆に“自分がやってやるんだ”と奮い立たせてもらった。そのおかげで最後、気持ちを強くもって投げることができて、最終的に皆さんの期待に応えられて本当によかったです」と上野は語った。

アメリカのケン・エリクセンヘッドコーチは「私たちのチームは今晩本当に頑張りました」とチームを労いつつ、「今日はついていませんでした。それと同時に日本のプレーは素晴らしかった。上野の攻めた投球に、攻撃も多くの得点チャンスを作るなど大活躍でした。最後まで決着の見えないのは日本とアメリカの試合ではいつものことです。」と日本チームを讃えた。

北京決勝でも先発だったキャット・オスターマンは「もちろん、今日は残念です。金メダル決定戦まで上り詰めましたから、ぜひ金メダルを手にしたかったです。しかし今回のオリンピックは凄まじいものでしたし、金メダル決定戦までに私たちが達成した一つ一つのことを見逃してはいけないと思います」と振り返った。

この日の昼の試合では、カナダがメキシコに3対2で勝利し、オリンピックでの初メダルを獲得した。ダニエル・ローリーがリリーフで2.1イニング投球し、銅メダル勝利投手。

カナダはメキシコのダニエル・オートゥールから先制。2回裏、エマ・エンツィミンガーがタイムリー二塁打でカナダは1点リードした。5回表にメキシコはブリタニー・セルバンテスが同点タイムリー。5回裏カナダはジェネット・リューンが内野安打とバント2つで三塁到達、ケルシー・ハーシュマンの犠飛で勝ち越した。

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ジェンナ・カイラ、ダニエル・ローリーは試合後それぞれ引退を発表した。

「新しい選手たちが入り、また新たなチームを作り出してくれるでしょう」とカナダのマーク・スミスヘッドコーチは引退の発表を受けてこうコメントした。「本当に一つのチームとしてプレーした時に私たちの国はどんなことができるのかという素晴らしい例を作り上げたと思います。それはチームワークです。チームでは皆平等です。コーチとして私は選手たちのために環境を整えてあげたら、あとは一歩引いて選手たち自身で導いていけるようにしています」と加えた。

スミスコーチはまた「金メダル決定戦に値する実力を持っていると思いますが、今回はうまくいきませんでした」と加えた。

ケルシー・ハーシュマンは「この数ヶ月チームに参加できて嬉しかったです。一緒にいるチームメイトがいなかったら克服できないような難しい時もありました。私たちチームは時間を作り、なんども思い出しながら克服でする方法について考えていました」

「今のチームを誇らしく思っています」とメキシコのカルロス・ベルナルデスヘッドコーチは語った。「WBSC世界ランキングは20位以下だったと思いますが、この大会では4位に輝いた。これからはメキシコは世界のソフトボールとかかわっていきます。」

「メキシコチームとして初めてのオリンピック出場できたことを心より誇りに思います。これはもちろん生涯最良の経験です。他のチームの人たちも同じように思っているでしょう。たくさんの新しい人たちにも私たちのことを知ってもらえたと思います」とダニエル・オートゥールもコメントした。