ドーピング防止への取り組み WBSCがITAとの提携拡大
29/06/2022 1 記事を読む目安時間

ドーピング防止への取り組み WBSCがITAとの提携拡大

今回の新たな拡大提携により、WBSCアンチドーピング規定違反検出にこれまでの解析・非解析方法に加えて、ITA専用の情報調査能力が使用できる。

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は、国際試験機関(ITA)との提携を拡大し、アスリートのための独立した専門家主導のクリーンスポーツプログラムへの取り組みを更新した。WBSCは、これまでITAに委託していたドーピング防止プログラムの分野に加えて、今回は情報共有、調査、長期サンプル保管、およびREVEALによるドーピング違反の機密報告を強化した。

ITAとWBSCの提携は2020年1月から始まり、この2年間さまざまなアンチドーピングプログラムの独立した管理をITAに委託している。今回WBSCはさらなる保護対策を強化し、アスリートのための専門家によるクリーンなスポーツの枠組みを拡大して取り組む。

ITAはWBSCのために長期サンプル保管を開発・管理し、強力な分析方法があった場合や新たな情報を入手した場合に再検査できるようにする。さらに今回ITA専門の情報収集能力を利用して、これまでWBSCアンチドーピング規定違反検出に利用してきた解析・非解析方法を補完する。

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今後WBSCは、ITAのドーピング報告プラットフォームである「REVEAL」を通して、野球・ソフトボールのアスリート、サポートスタッフ、コーチ、その他の関係者が、起こりうる規定違反に関する情報を安全かつ機密または匿名で共有できるようになる。

ITAは引き続きWBSCの競技外検査、リスクアセスメント、検査配布プラン、アスリート生物学的パスポート(ABP)業務、治療使用特例(TUE)管理、結果管理、居場所情報関連義務違反の責任を担う。2021年から教育に関する国際基準が施行されるため、WBSCはまた特別ウェビナーシリーズなどビスポーク教育活動を通して野球・ソフトボールアスリートたちを支援し始めた。

WBSCに代わって行われるすべてのクリーンなスポーツ活動は、ITAが世界アンチ・ドーピング機構とその国際基準に厳密に準拠し、ITAの規則に従って実施する。

「ITAとの提携継続を大変光栄に思います。これでドーピングに対抗し、WBSCとその会員に教育や情報収集、長期保存・解析など重要なツールを提供することができます」とWBSCのリッカルド・フラッカーリ会長はコメントした。「最近オリンピック夏季大会競技団体連合(ASOIF)グッドガバナンスレポートで高評価を得ましたが、WBSCはこれからも高水準を維持しなければなりません。ITAとのパートナーシップはこうした意味でも大変重要であり、これはWADAだけでなく、すべてのアスリート、アスリートサポート担当者、およびすべてのWBSC会員からのすべての期待に応え続けるのに役立つと思います」

「WBSCとの委託提携が更新・延長されたことは、私たちの仕事が認められ、世界のアンチドーピングへの取り組みと一致している証ではないでしょうか」とITAのジェネラルディレクターであるベンジャミン・コーエン氏はコメントした。「特に、レポートフォームREVEALを介した情報収集の分野での新しいコラボレーションに満足しています。ITAは、2021年と東京2020オリンピックの期間中、野球・ソフトボール選手のためのクリーンスポーツプログラムをサポートするという機会に恵まれました。私たちは、今後2年間そしてその後もWBSCのインテグリティをハイレベルで保護するため取り組んでいきます。 WBSCは、野球とソフトボールの両競技を世界中で成長させるという非常に野心的な計画を持っておりますが、彼らとともにスポーツにおける健康、インテグリティ、公平性をさらに促進することで私たちの役割を果たせることを光栄に思います」

写真: 世界野球ソフトボール連盟のマイケル・シュミット専務理事(中央)、ビクター・イーゾラ アンチドーピング部長(左)、マルコ・イエンナ チーフオペレーティングオフィサー(右)、ベンジャミン・コーエン ITAジェネラルディレクター(左から2番目)、マッテオ・ヴァッリーニ ITA検査責任者