コラム WBSCリッカルド・フラッカーリ会長  ベースボール5がオリンピックムーブメントを推進 新たな広がりへ
05/02/2020 1 記事を読む目安時間

コラム WBSCリッカルド・フラッカーリ会長  ベースボール5がオリンピックムーブメントを推進 新たな広がりへ

リッカルド・フラッカーリ会長は、世界野球ソフトボール連盟が今もっともホットなベースボール5は世界中に恩恵をもたらし広がり続け、そして2022年ユースオリンピック・ダカールの競技にも加えられたと、同競技についての考察した。

ベースボール5がユースオリンピック・ダカール2022の追加種目に決定したとの知らせを先月受け取った時、ついにやったという気持ちで心から喜びました。

先月ローザンヌで行われたIOC理事会の決定で、世界中の若きベースボール5の選手たちが、国を代表してオリンピックに出場するというアスリートなら誰もが見る夢にまた一歩近づきました。全てのアスリートと世界の野球・ソフトボール関係者を代表して、ダカール2022組織委員会とIOC理事会の皆様から信頼を受けたことに、心より感謝の意を表します。

ベースボール5が公式的に生まれたのは2018年3月でした。始めたばかりの頃は20ヶ月後にここまで成長し広がるとは思ってもみませんでした。しかし、それ以降、ベースボール5は爆発的に人気を伸ばし、WBSCはこれを世界中に広まり、これまで野球やソフトボールの浸透が難しかった国や地域にも野球やソフトボールの楽しさと技術を新たに紹介することができるようになりました。

この競技はスピーディに展開し、費用もかからず、誰でもできることが最大の強みです。ボール1つと硬い地面があれば楽しめます。特別な用具も場所もいりません。ベースボール5はIOCとバッハ会長が進める画期的なアジェンダ2020に完璧に一致しています。

しかし、われわれの野望はオリンピック大会出場ではありません。それはオリンピックムーブメントに長くかつ深く貢献していくことです。

ユースレベルでは、若い人々、特に少女たちにとって安全でアクセスしやすいスポーツとして貢献しています。さらに、ダカール2022ではベースボール5は初の男女混合チームスポーツとなり、IOC委員会が推進する男女平等の理念を支えます。

シニアレベルでは、世界中の長年のファンやスポーツ市場をオリンピックムーブメントと繋げるよう取り組んでいます。

例えば、WBSCのフラッグシップ大会であり東京2020野球大会の予選を兼ねたプレミア12のテレビ中継は、特にアジア・アメリカで前例のない大きな話題となりました。こうした熱狂に包まれた雰囲気、満席のスタジアムの様子をみても、東京2020のオリンピックでもまた盛り上がるだろうと期待されます。

各国連盟、世界中のファンの方達はこのオリンピック復帰成功に大きく勇気づけられました。オリンピック競技に加わると、その国で野球・ソフトボールがまた大きく成長し、世界中に拡大していくための新しいチャンスが開かれます。そしてわれわれの20年後の目標としている野球ソフトボール人口10億人達成へとまた一歩近づいていくのです。

WBSC会長 リッカルド・フラッカーリ