世界難民の日 野球ソフトボールのグローバルな拡大は必ずや難民への奉仕の一助に  WBSCリッカルド・フラッカーリ会長が改めて表明
18/06/2021 1 記事を読む目安時間

世界難民の日 野球ソフトボールのグローバルな拡大は必ずや難民への奉仕の一助に  WBSCリッカルド・フラッカーリ会長が改めて表明

2021年6月20日の世界難民の日、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)のリッカルド・フラッカーリ会長は、競技において難民のインクルージョンとサポートを呼びかけるなどより良いグローバル社会をかたち作るため、WBSCが野球とソフトボールを発展するよう責任を持って取り組んでいくことを改めて伝えた。

WBSCでは野球、ソフトボール、そして最新種目のベースボール5を通して難民の私たちの競技へのアクセスを改善するよう取り組んでおり、WBSCは国連弁務官事務所(UNHCR)と国際オリンピック委員会 (IOC)との「Sports Coalition(スポーツ連合)」の一員であることを誇りに思います。

皆様もよくご存知の通り、われわれの多くが過酷な時期に直面しています。そしてこの世界難民の日は、連帯、共感、多様性、包括性によって包まれる世界を構築するためにはまだ多くのやるべきことが残されていることを、われわれに思い出させてくれます。スポーツが世界の難民問題など重要な問題への意識を喚起し、そしてこれらの価値を推進するために重要な役割を握っていることは疑いのないことであり、私たちは今後も継続して誰もがスポーツにアクセスできるよう努力していかなければなりません。

新型コロナウイルスのパンデミックも無論われわれのビジョン実現に大きな影響を与えました。2020年は競技も渡航の自由もストップしてしまいましたが、球場で過ごす時間がは減りましたが、われわれは新たな時代に向けての基盤強化に集中することができました。これらの経験から学んだことを土台として、WBSCと野球・ソフトボール界はより多くのコミュニティにわれわれの競技がアクセスできるよう精進していく次第です。

ベースボール5が生まれる際、競技への身近さ(アクセシビリティ)は重要なポイントの一つでした。この競技はたった一つのボールでプレーでき、若い人をターゲットにした誰もがどこでも楽しめる (#playeverywhere)よう考えられたものです。2019年には国連高等弁務官事務所 (UNHCR) が運営する世界最大のシリア難民キャンプ、ザータリにもベースボール5を導入しました。これは組織団体「Peace and Sport」との提携によるもので、ベースボール5はキャンプにいる8万人の難民の人々に2日間に渡るコーチワークショップを行いました。

こうした取り組みは、世界中の難民の人生にプラスの影響を与えること、彼らにスポーツ参加の機会を提供すること、そしてそこから彼らに多くの恩恵を引き出すとことといったわれわれのビジョンを実現するものです。このビジョンを念頭に、わたしたちはUNHCRの指導の下、これらの機会が確実に創出されるよう今後も努力を重ねていきたいと思います。

同様のことは、人道的、社会的包摂、平和、発展振興支援活動を促進するために世界テコンドー(WT)およびテコンドー人道財団(THF)と署名した覚書(MOU)にも当てはまります。この覚書では三つの組織全てが、若者の参加と包括的スポーツを推進するため、さまざまなな機会やプロジェクトの調査に引き続き取り組んでいます。

また、IOCによる東京2020の難民オリンピック選手団(EOR)参加の発表は、世界8000万人を超える避難民の窮状について呼びかけ、世界への希望と連帯のメッセージを伝えるものでした。12種目の競技で戦う29名の難民アスリートのチームのみなさまの出場決定を祝福いたします。オリンピックでの彼らの活躍はオリンピックムーブメントを超え大きな励みになるに違いありません。

世界の野球とソフトボールのコミュニティの皆様、今日だけでなく日々、世界中の何百万人もの難民を称えましょう。そしてスポーツとスポーツがもたらす恩恵をより身近なものにする必要を認識していきましょう。UNHCRは「チームとして団結して動いてこそ私たちは輝ける。」と伝えています。グローバルコミュニティのより強力な構築には一致団結こそが必要なのです。

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