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フラッカーリ会長が総会に感謝 WBSC会長報告
04/07/2022 1 記事を読む目安時間

フラッカーリ会長が総会に感謝 WBSC会長報告

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は「連盟としての現状は10〜15年前に比べると確実に進歩している」とこれまでの業績を報告した。

WBSC会長のリカルド・フラッカーリ会長は月曜日に台北で行われた第4回WBSC会議で会長報告を行い、国際統括団体が自身のリーダーシップの下でいくつか成果を上げ、将来に向けて多くの礎を築いたと伝えた。そしてこの成果を「関係者みなさんの尽力のおかげ」とWBSC会議に感謝した。

フラッカーリ会長は、101の加盟連盟(二つの競技を併せた野球・ソフトボール連盟は2票を獲得しているため、定足数は133)の前で発言し、東京2020オリンピックの成功を振り返りながら、WBSCとIOCとの関係がいかに重要で強力であるかを強調した。そして「みんなの助けなしには成し遂げられなかった」と感謝を伝えた。

またフラッカーリ会長は、組織の成果とスポーツのグローバル化についてWBSC関係者全てを称え感謝した。現在、競技人口は140を超える国と地域で併せて約6,500万人に上る。 「みなさまは、世界各国で私たちの素晴らしいスポーツを代表している方たちです。こうしてここで世界中で活発に活動するみなさんと共にいられることは本当に名誉なことです」と述べた。

国際野球連盟と国際ソフトボール連盟が合併した2013年以来、WBSC初で唯一の会長を務めるイタリア出身のフラッカーリ会長は、過去数年間の野球、ソフトボール、ベースボール5などの業績をまとめた。スポーツの成長のターニングポイントとしてWBSCの創設を強調し、これまでに直面した課題にも触れた。 「私たちは、オリンピックで1つの場所を争う2つの競技から、東京2020大会で同じスポットライトを共有することに成功しました」

WBSC大会

フラッカリ会長はまた、WBSCイベントのポートフォリオの強化を振り返り、プレミア12(2024年に第三回が実施される国際野球大会)の立ち上げ、ソフトボールワールドカップのプロパティの革新(新フォーマットと新たに3大会を設立)、新たな公式分野としてのベースボール5とeスポーツを開始したことを報告した。

WBSC会長は、昨年の東京2020での野球/ソフトボールの歴史的なオリンピック復帰について触れた後、将来のオリンピック野球・ソフトボール競技に言及、今後の焦点はロサンゼルス2028大会だと語った。 「LA28オリンピックだけではなくブリスベン2032大会も視野に入れています。セネガル2026年のダカールでのユースオリンピックではベースボール5大会が初めて実施されます」

このベースボール5は「WBSCで急成長を遂げているプロパティの1つ」とし、WBSC会長の演説の中の大きな話題の一つとなった。2017年の開始以来、この新競技が世界中に急速に広まっていることを強調。 11月メキシコで実施予定のベースボール5ワールドカップに向けてますます盛り上がりを見せるだろうと予想した。

最新の公式競技はeスポーツで、これには成功を収めたオリンピックバーチャルシリーズ、eスポーツプラットフォーム、モバイルおよびオンラインゲーム、バーチャルカップが含まれる。 「私たちは、おそらく今後ウェブ3から生まれるかもしれない新しいテクノロジーやプラットフォームや、および若者の間で急速に進化するデジタルの導入に備える必要があります。みんなで野球ソフトボール競技の近代化を支え、責任をもって競技を近代化させ、次世代の人たちを惹きつけていかなければなりません」

ガバナンス

「私たちの大会としてのポートフォリオが成長と安定を遂げただけでなく、連盟のガバナンスも強化されました。」とフラッカリ会長は組織の統括についてのこれまでの業績をまとめた。

まず一つの重要点として、スイスのピュリーに新しく建設された本部について挙げた。この新本部は「オリンピック関係者からも好評」だという。 「IOCの要請に応じた近代的で透明性のある連盟」としてインテグリティユニットの立ち上げ、アンチドーピングと「オリンピックアジェンダ2020+5」に準じたWBSC戦略計画2022-2028の提案などWBSCの組織を再編した。

「これらはすべて、私たちの組織の新しいイメージを与えるだけでなく、主要ステークホルダー、商業提携パートナー、ファン、そしてオリンピックムーブメントの点からも私たちの競技に貢献しました」とフラッカーリ会長は述べた。

発展振興

WBSC会長は、スライドを示しながら、WBSCがこれまで行った発展振興についても発表した。

2017年から2021年までの国内連盟の発展とそのアスリートの育成に割り当てられた総額は8,338,174USドルにのぼる。現在WBSC世界ランキングに入る国の数をみれば、それらの投資が競技発展に直性影響を与えていることがわかる(ランキング開始以来、野球がほぼ100%増、女子ソフトボールはほぼ300%増、男子ソフトボールは200%以上増)。

「ランキングの数字がみなさんの努力と活動を反映しています」と彼はWBSCメンバーを称えた。 「これは一夜にしてなることではありません。各連盟がWBSC世界ランキングにランクインするためには、私たち全員が同じ目標とビジョンを持っていなければならないからです」

この目的に向け、WBSCは競技の発展に必要なツールに取り組んできた。 「こうして、私たちは国内連盟ハンドブックや、技術コースとクリニックを備えたWBSCアカデミーを開発しました」

「私たちには、野球ソフトボールを望む人ならだれでもプレーできるようにする責任があります。だからこそ、WBSCは世界中で競技発展を支援し、懸命に取り組んできたのです。これは、WBSCの重要な骨組みを構成する大陸連盟の役割を強化し、その権限を増やすこととが大切です 」

フラッカーリ会長は、ソーシャルメディアのフォロワー数の増加、ポッドキャストの紹介、3つのニュースレターなど、メディアでの成果についても振り返った。 「私たちの競技はこれほどまでに成長し、いまやオリンピックに出場できないなんてありえないことを示しています」と強調した。

「これまでのステップの一つ一つと目標をふりかえり、わたしたちが共に協力して生み出した成果について報告いたしましたが、これはほんの始まりに過ぎません。わたしたちの未来はもっと確実でもっとエキサイティングです。驚くべき成果を実現し結果を出したわたしたち連盟の現在の状況は、10〜15年前よりも確実に進歩していることは明らかです」と彼は締めくくった。