リッカルド・フラッカーリ会長「2019年は国際野球ソフトボール史上記録的な大きな年」
16/12/2019 1 記事を読む目安時間

リッカルド・フラッカーリ会長「2019年は国際野球ソフトボール史上記録的な大きな年」

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は、2019年の記録的な成功は2020年さらなる大きな成功への前段階にすぎないと年末挨拶で語った。

世界野球ソフトボール連盟のリッカルド・フラッカーリ会長が世界の野球ソフトボール関係の指導者、選手、メディア、そしてファンに向け、年末の挨拶を述べた。

世界の野球ソフトボール指導者、WBSCパートナー、メデイア、関係者、ファンのみなさまへ

終わりゆくこの1年は歴史的にみても、国際大会の数として大きな年であり、選手たちが素晴らしい体験と思い出を手にした年でした。

この12ヶ月間、フラッグシップ大会・プレミア12、ワールドカップ5大会、東京2020オリンピック予選4大会が行われました。この数は国際競技連盟としては記録的な数ですが、世界中の各国競技連盟、何千人ものアスリート、ファン、メディアの皆さまのために奉仕できできたことは、われわれの誇りであり、義務であり、また大きな喜びでもあります。

詳細なデータは収集作業中ですが、先月行われたWBSC12は記録的なSNSの数を生み出し、過去もっともエンゲージメントの高い国際野球大会となったことは確かです。東京オリンピックのホームチームである侍ジャパンがプレミア12王者に輝き、世界ランク首位の地位を際立たせました。2015年プレミア12王者の韓国はプレミア12の連覇達成は成りませんでしたが、2008年オリンピック野球金メダルの韓国は来年オリンピックで再び金メダルを狙います。メキシコのプレミア12銅メダル獲得と初のオリンピック出場も「メキシコ野球史上の快挙」とメディアで報道されました。

メキシコは東京2020でソフトボールでもオリンピックデビューを果たします。アメリカソフトボール連盟、イタリア野球ソフトボール連盟、メキシコソフトボール連盟、カナダソフトボール連盟、オーストラリアソフトボール連盟の皆さんが各野球ソフトボール予選を勝ち抜いて、それぞれが東京2020オリンピックへの出場チケットを獲得しました。本当におめでとうございます。

プレミア12の成功は選手たちのプレーによる功績だけではありません。WBSCは大会賞金を40%アップし、投球時間や交代時間の制限で試合のスピードアップを図り、さらにリプレー検証を導入して大会そのものを改善する努力を行いました。

またアルゼンチンソフトボール連盟にもチェコで行われた2019年WBSC世界男子ソフトボール選手権大会優勝のお祝いをここで述べたいと思います。これもWBSCソフトボールが世界中に広がり続けていることを示すものです。ヨーロッパで男子ソフトボールの世界大会が行われたのも初めてでした。

10度目の出場にしてアルゼンチは男子ソフトボール王者に輝きましたが、これはアルゼンチン連盟がこれまで歩んできた育成プログラムが実を結んだからに他なりません。2012年と2014年のU-19 世界制覇した選手のうち8名がこのシニアチームにいて今回のプラハでの優勝に繋がったのです。

またわれわれの競技は発展を続け、新たな国にも進出しています。新しい球場も建設されその人気がまた強調されました。台南市のHuang Wei-che市長と並んで台湾の12歳以下の子供たちのために設計された野球施設・アジア太平洋国際野球訓練センターの落成式を行なったことを心より光栄に思います。

これは野球やソフトボールだけでない世界最新のユーススポーツ施設であり、野球とソフトボールが世界のユーススポーツをリードする競技の一つであることを証明していると言えるでしょう。この持続可能な最新の施設の建設完成が私たちのヴィジョンを具現化しているのです。

WBSCは12歳以下部門からワールドカップがある唯一の国際競技連盟ですが、今年WBSC12ベースボールワールドカップとWBSC U-12 男女混合ソフトボールワールドカップは成功に終わりました。

また日本の福島にある学校との連携プロジェクトで使われなくなった野球やソフトボールの用具を集めて世界の発展途上国に送るプロジェクトをはじめたり、新競技・ベースボール5を広める活動も、グローバルスポーツムーブメントの中でわれわれ競技の地位を確立することに大きな役に立っています。

世界野球ソフトボール連盟を代表して、私は2019年野球ソフトボール発展のために貢献し助けてくださったみなさまに深く感謝の意を表します。特に先月堺市で行われた総会で新たに7つの連盟がWBSC会員として加わりました。新しい会員の皆さまを暖かく歓迎するとともに、彼らの経験と智慧を拝借しながらこれまで以上に野球ソフトボールが推進できるよう力を合わせていくのを楽しみにしています。

地元大会組織委員会、WBSC執行役員、各委員会、各大陸連盟、各国連盟、アスリート、コーチ、審判員、WBSC役員、スタッフみなさまの世界振興への貢献に心より厚く感謝を申し上げます。

2019年という記録を重ねた年はまだ前段階にすぎません。2020年こそがさらなるわれわれ競技の成功と発展の年となるでしょう。

WBSC会長 リッカルド・フラッカーリ