2023年 初開催の大会や新たな取り組みなどが満載
30/01/2024 1 記事を読む目安時間

2023年 初開催の大会や新たな取り組みなどが満載

ベースボールチャンピオンズリーグは、2023年にフィールド内外でWBSCが達成した数多くのマイルストーンの一つだ。

年末の記事でも触れられたように、2023年は世界野球ソフトボール連盟(WBSC)にとって非常に成功した年だ。特に国際的な野球・ソフトボール界にとって画期的な新しい試みが実施されたり新設大会が開催された。

WBSCは新設大会の開催、新大会フォーマットの実施など、新たな観客を取り込むためのさまざまな試みに取り組み、進化を続けている。

2023年にWBSCと世界の野球/ソフトボール界が初めて行った取り組みや大会について紹介しよう。

ベースボールチャンピオンズリーグ

ベースボールチャンピオンズリーグは「これからの国際野球を変える」と、大会コミッショナーのギジェルモ・ラミレスとメキシカン・ベースボール・リーグ(LMB)のオラシオ・デ・ラ・ベガ会長が国際野球史上初のクラブ大会であるWBSCの最新大会が9月に発足した際に語った。

ファーゴ・ムーアヘッド・レッドホークス(アメリカ、アメリカン・アソシエーション)が初代チャンピオンとして歴史に名を残した。彼らは決勝でバランキージャ・カイマネス(コロンビア・プロリーグ)を破り、ベースボールチャンピオンズリーグ・アメリカ大陸のタイトルを獲得した。

WBSCのリカルド・フラッカーリ会長は、ベースボールチャンピオンズリーグが「野球競技の新時代の幕開けであり、世界中のクラブ、リーグ、選手、ファンにとっての新たな始まりです」と述べた。

そのほかのWBSC大会での初の試み

WBSCは2023年に3大会を立ちあげたほか、新フォーマットででも大会を実施した。

2025年に開催されるユースオリンピックの予選大会となるユースベースボール5ワールドカップは、10月に第1回大会が開催。この大会はキューバが優勝したほか、開催国であるトルコがこれまでWBSCの大会を主催したことがなかったという、もうひとつの初めての出来事もあった。

さらにソフトボールで新たに2大会が設立され、4月に行われた第1回U-23男子ソフトボールワールドカップではオーストラリアが優勝し、10月に開催された第1回U-15女子ソフトボールワールドカップではアメリカが優勝した。

第17回女子ソフトボールワールドカップと第9回女子野球ワールドカップは、新たに2ステージ制で行われる最初のWBSC大会となった。

イタリアは7月15日から21日まで女子ソフトボールワールドカップのファイナルステージを開催する。イタリアが女子ソフトボール・ワールドカップを開催するのはこれが初めて。また、ファーストステージのグループAとグループBの開催国であるアイルランドとスペインも初めて自国開催だった。

一方、女子野球ワールドカップのファイナルステージは7月28日から8月3日までカナダで開催。

Sportが新たなマイルストーンを達成

2月、WBSCは株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が制作した日本の野球ゲーム「パワプロ」シリーズの最新作「WBSC eBASEBALL™パワフルプロ野球」の配信を開始し、新たな視聴者を獲得した。

9月に開催された日本最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ2023」においてWBSCは新たに「WBSC eBASEBALL™シリーズ」と「WBSC ePremier12™」の立ち上げることを発表した。

ヨーロッパの国がWBSCランキング首位に

フランスがベースボール5で1位となり、WBSC世界ランキングで首位に立った最初のヨーロッパ諸国となった。フランスは11月のヨーロッパ選手権で準優勝してランキング首位を獲得した。

オーストラリアもまた、男子ソフトボール世界ランキングで初めて首位に立ち、歴史を塗り替えた。オーストラリアは今年4位でスタートし、U-18ワールドカップ後の11月22日に首位に立った。

フィールド外での新しい取り組み

3月、WBSCは年次ガバナンス報告書の第1版を発表した。

WBSCインテグリティ・ユニットがこの報告書をまとめ、WBSCのグッドガバナンスへのコミットメントと組織の透明性向上の最新の進捗状況を共有するためにリリースした。

オリンピック・アジェンダ2020+5に沿ったWBSC戦略計画2022-2028の重要なこの分野は、WBSCファミリー全体にグッドガバナンスの理念を確立することである。この報告書は今後、毎年公開される予定。

WBSCはまた、5月に年次インテグリティ・ユニット報告書の第1版を発表した。

WBSCのリッカルド・フラッカーリ会長は「この報告書は、アンチ・ドーピング、ガバナンス、競技操作の防止、セーフガード、持続可能性など、インテグリティのあらゆる主要原則を網羅し、WBSCのインテグリティに関するあらゆる事柄について、会員に最新情報を提供するものです」とし「WBSCは、我々のスポーツをより強く、より良く、より説明責任を果たすために、最善の努力を続けていきます」とコメントした。

8月に開催された第31回WBSC U-18野球ワールドカップの期間中、WBSCインテグリティユニットは初の現地でのセーフガーディング・ワークショップを開催した。

「大会に関わるすべての人がセーフガード問題の重要性を理解することは重要ですが、若い選手たちにセーフガードの概念を伝え、問題を直接話し合う素晴らしい機会となりました」とWBSCスタッフのエイミー・パーク選手委員会リエゾンはコメントした。パークは2022年、委員会メンバーのランドルフ・オドゥバー、エリカ・ポリドリとともにIOCのスポーツにおける国際セーフガーディング・オフィサーの資格を取得した。

WBSCは2021年にセーフガーディング・キャンペーンを開始した。

ベストプレー賞を選出

WBSCメディア部門による新たな取り組みとして、2023年の終わりにスタッフが1年間の大会を振り返り、そのシーズンのベストプレーを選出した。

女子野球ワールドカップでメキシコの遊撃手として活躍したサマリア・ベニテスが野球ワールドカップのベストプレーに選出された。

2023年ソフトボールワールドカップのベストプレーは、国際シーズン最後のプレーとなった。日本の梅田瑠河(中堅手)が8回裏に満塁ホームランを放ち、WBSC U-18男子ソフトボールワールドカップで優勝を飾った。

2024年の「初」に期待

第3回プレミア12では、パナマが初の中米の国としてWBSCのフラッグシップ大会に出場する。パナマは現在、男子野球世界ランキング第10位。

さらに、WBSC初の『eBaseball シリーズ パワフルプロ野球』ワールドファイナルと、WBSC10周年を祝う5月10日の世界野球ソフトボール・デーも予定されており、2024年も2023年に劣らぬ画期的な出来事が起こる年になりそうだ。