シャーロン・スクープは、2011年ベースボールワールドカップ決勝のオランダ対キューバ戦に二塁手で先発出場した。彼は1点で引き分けだった4回裏にカート・スミスをバントで三塁へ送り込んだ。
その後スクープの弟で将来メジャーリーグベースボール(MLB)オールスター選手になったジョナサンがセンターに適時打を打ち込み、スミスが勝ち越し点を入れた。
当時、シャーロンは24歳で、サンフランシスコ・ジャイアンツのダブルAレベルでシーズンを終えていた。彼は11月2日にFAとなる予定だった。
スクープの弟のジョナサンは20歳で、ボルチモア・オリオールズの有力新人とみなされていた。彼は代打オリベラのラインドライブを捉え、得点圏からの同点の危機を回避してそのまま勝利を決めた。オランダは、アメリカ大陸とアジア以外でベースボールワールドカップで優勝した最初の国となった。
「国を代表してこのような大きな大会で優勝するのは特別なことです。」とシャーロンはWBSCに語った。「夢が現実になったかんじでした。弟が最後のアウトのボールを捉える場面は忘れられない思い出です」
2011年10月5日パナマ シティは大雨だった。
「雨で試合が少なくとも3時間は遅れました。長い間座って待たなければなりませんでした。あの日のことは昨日のことのように覚えています。私たちにとってとても大事な日となり、決して忘れることはありません。子供たちにも伝えたい一日となりました」
スクープは、3月6日と7日に日本の大阪で予定されているカーネクストT侍ジャパンシリーズのヨーロッパ代表チームのオランダ代表選手7名のうちの1人だ。残りの6人は投手のトム・デ・ブロック、ラース・ヒュイヤー、ケビン・ケリー、フランクリン・ファン・ガープ、内野手のジュレミ・プロファーとユーティリティーのデラノ・セラサだ。2015年チームヨーロッパ名簿にはオランダの投手7人を含む14人の選手が名を連ねていた。
世界ランキング 7 位のオランダは、 ラグザスpresents第3回 WBSC プレミア12に参加するが、スクープはこのWBSC主要大会の最初の2回に母国代表として出場した。
「国際野球は普通の大会とは違います。私はプロですが、国際野球では、一緒に育った仲間たちとプレーするので、野球であることに変わりはないですが、仲間との関係が違う。プレーに心がはいります」
スクープはマイナーリーグベースボール(MiLB)で942試合に出場したベテランで、その中にはトリプルAレベルでの154試合も含まれる。最近では、新設されたベネズエラサマーリーグに出場した。彼はオランダのホーフドクラスでも4シーズンプレーした。
「プロ野球では、一貫性があり、より強力に投げることができる投手がいます。それでも、世界中どこでやっても野球は野球です」
2016年11月、スクープはオランダ代表チームの一員として、親善試合で侍ジャパンと対戦した。
「そのチームに大谷翔平がいたのを覚えています。日本は基本的な野球をしていて、それがとても上手でした。我々は懸命にプレーし、両試合とも勝つチャンスがあり、試合終盤にリードを奪いましたが、彼らは逆転に成功し、私たちを負かしました」
日本は両試合とも延長10回で9―8、12―10で勝利した。将来のWBSCプレミア12MVPの鈴木誠也選手が2試合目を満塁ホームランでサヨナラ勝ちに終えた。
スクープは、日本と対戦するときはショートボール、犠牲バント、ヒットエンドランを覚悟しなけれなければならないと語った。
「私はこの野球のスタイルを信じているタイプです。アメリカでは、レギュラーシーズンでプレーするときにこのようなショートボール、犠牲バント、ヒットエンドラン等はめったに見られません。しかし、短期シリーズでは異なります。その試合に勝たなければなりません。その あとに80試合もあるわけではないからです。私にとっては、バント、ヒットエンドラン、そして走者を動かすことは勝利に非常に効果的だと思われます」
あなたはキャリアを通じて捕手以外のすべてのポジションでプレーしてきましたが、どのようにチームヨーロッパを助けることができると思いますか?
「自分はどのポジションでもプレー出来ます。自分の好きなポジションは2塁ですが、どこでも監督が必要とするポジションに入ります」
名簿の多くの選手の中には 何か月も試合に出場していない選手がいますが、これは問題になると思いますか?
「 野球選手としては、いつでも準備ができていなければなりません。時には、登板するときにしばらく生の投球を見ていないこともあります。 現場に出ていって、ベストを尽くすだけです。私たちにはそのような経験があり、問題はないと思います」