ベンチュウ・ロー氏の年度末挨拶 2020年の国際野球ソフトボールは加速して適応・進歩を遂げた1年
24/12/2020 1 記事を読む目安時間

ベンチュウ・ロー氏の年度末挨拶 2020年の国際野球ソフトボールは加速して適応・進歩を遂げた1年

世界野球ソフトボール連盟 (WBSC) のベンチュウ・ロー事務総長は2020年の数多くの挑戦と成果について振り返り、各国の野球ソフトボール連盟、大陸連盟、準会員に向けて年度末のメッセージを送った。

2020年は全ての人がパンデミックに翻弄された過酷な年でした。それは私たちの強さと弱さの両方を際立たせましたが、重要なことは、2020年に私たちはこうした全ての困難に適応し打ち勝つことができる能力を実証したことです。この前代未聞の1年を振り返る前に、この2020年に悲劇的に亡くなった方々なやパンデミックで影響を受けた人々に対し敬意を表したいと思います。そして日々献身的に奉仕する世界中の医療従事者の皆様に感謝を申し上げます。

WBSCは昨年、組織内のインテグリティと優れたガバナンスを守るため大きな進歩を遂げました。WBSCインテグリティユニットの設立により、フェアプレーや透明性、アスリートの権利保護、包括性の推進を強化するための拠点を作りました。このインテグリティユニットの委員長として指名され、WBSCでさらに大きな進歩を発展させることができることを光栄に思います。インテグリティユニットの任務には行動規範、競技、アスリート、役員をドーピングやハラスメント、虐待(青少年アスリートの保護も含む)、試合操作や八百長、賭け事から守るなどがあります。


新たな時代

世界中の野球ソフトボール大会が混乱したため、WBSCは加盟団体に提供するサポートを見直し、5月に野球ソフトボール活動を安全に再開するための一連の健康・運用に関する推奨項目を発表しました。この「野球ソフトボールの安全な再開 -- COVID-19 予防ガイダンス」は世界保険機関のリスク評価ツールに合わせてWBSC医療委員会が作成したものです。

つい最近、将来の国際野球ソフトボール大会の運営サポートのため、WBSCは二つの作業グループを立ち上げ、オンラインミーティングを通してWBSCの大会を分析し、執行役員会に可能な変更点を勧告しました。最初のレポートが12月9日の執行役員会で発表されています。

承認された主な変更点の一つはソフトボールワールドカップを2年周期から4年周期に移行し、大会によっては2つのステージ形式で行うことです。女子野球ワールドカップは、グループステージ大会と、上位チームだけが出場する決勝ステージが行われます。WBSCワールドカップ決勝ステージの魅力アップと、より円滑な大会運営を目標としています。


エキサイティングな未来

WBSCは今年は大陸連盟と緊密に仕事を続け、各国オリンピック委員会と協力して野球ソフトボールのさらなる強化に務めました。アジアゲームズなどの大陸大会に野球ソフトボールを実施できるよう取り組む中、WBSCのスピーディに展開する若者向けの5人制アーバン競技・ベースボール5も次のアフリカ(ダカール)で行われるユースオリンピックの公式競技として決定しました。この夏季オリンピックはダカールで2026年に行われます。わたしたちは大陸連盟とともに、ベースボール5が世界中の主要大陸複合競技大会で実施できるよう務めていきます。

2020年は私たちの生活にスポーツがいかに重要かを気づかせてくれました。多くの逆境に直面して、WBSCは野球ソフトボールの世界的な発展を支えるための強固な土台を作り出すために大きな進歩を遂げました。わたしたちは今、自信と大きな期待を持って2021年を見据えることができます。来年は数多くの大会と、待望の東京2020での野球ソフトボールのオリンピック復帰が待っています。

2021年には思い出に残るオリンピックの年となる準備が始まりますが、野球ソフトボール関係者の皆様にこれまでの皆様の競技にかけるその熱意と尽力に深く感謝いたします。皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

ベンチュウ・ロー

WBSC事務総長


2020年レビューシリーズ