WBSC会長 年度末のご挨拶
世界の野球・ソフトボールコミュニティ関係者ならびにいつも応援してくださるファンのみなさまへ
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は2023年も大きく前進を続けました。
ダイヤモンド上では、オリンピック5大陸104チームが参加するWBSC13の大会が全て開催され、大成功に終わりました。また、より多くのアスリートに国際大会に出場する機会を提供するため、アメリカ大陸ベースボール・チャンピオンズリーグ、U-23男子ソフトボールワールドカップ、U-15女子ソフトボールワールドカップ、ユースベースボール5ワールドカップの大会が新設され、いずれも成功裏に終了いたしました。
特にトルコで開催された第1回ユースベースボール5ワールドカップは、5対5の都市型競技のその卓越した資質を示しただけでなく、2026年にセネガルで開催されるユースオリンピックを控えた最高の前哨戦となりました。さらに、アフリカから3チームがWBSCワールドカップに参加するのは2度目であること、トルコがWBSCの大会を初めて主催したことなど、私たちの競技がいかに新たな機会を提供しているか示すことができたのではないかと思います。
2028年ロサンゼルスオリンピックの公式種目に野球とソフトボールが採用されたことも、特別な成果です。これは、WBSCと、すべてのプロリーグや選手会を含む私たちの主要なステークホルダーの過去2年間にわたる多くの努力の結果であり、そのことにここど改めて感謝したいと思います。
先日の執行役員会では、このニュースに拍手を送るとともに、5月10日を「世界野球ソフトボール連盟の日」とすることを決定しました。これは、来年がWBSCの10周年にあたるということで、私たちの組織とスポーツ全体が大きく成長し、強化されていることを認識するものです。
このため、5月10日のイベントやプロジェクトを企画してWBSCムーブメントの強さと私たち競技のグローバルな成長を示し、全メンバー、とりわけ選手、ファン、そしてコミュニティ全体を巻き込みたいと考えています。関係者の皆さまが10周年記念企画を最大限に広めて可視化していただけるよう、連盟のメディア部門はさまざまな資料をお使いいただけるよう準備するつもりです。
WBSC Legacy Clubの設立は、WBSCの革新と進化の素晴らしい例です。WBSC Legacy Clubは、野球・ソフトボールを人道支援やレガシー・イニシアチブのための強力なツールとして活用することで、世界の社会開発を強化することを目的としているだけでなく、後発開発途上国が必要とする用具やトレーニングを受ける機会を提供することにもつながります。
さらに、eスポーツの成長も新たなチャンスであり、私たちはその最前線にいる国際連盟のひとつであることを誇りに思います。オリンピックeスポーツシリーズにWBSC eBaseballパワフルプロ野球が含まれたこと、また、WBSC eBaseballシリーズやeプレミア12の立ち上げなど、この分野でWBSCは重要な成果を収めました。
IOC eスポーツ委員会のメンバーとして、eスポーツの未来を決める議論の最前線に立てることを楽しみにしております。それはまた、WBSCのeスポーツ戦略と方向性を形成する助けにもなるでしょう。
WBSCの役割は、私たちの競技がフィールドの内外で長期的に強固な地位を維持できるようにすることです。それを念頭に置きますと、私は初のWBSC公式野球規則を発行できたことだけでなく、WBSCと5つの大陸協会がグッドガバナンスに関して前進したことを特に喜ばしく誇らしく思います。私たちのガバナンス・レビューは現在第3ラウンドに突入しており、各協会は最初の2ラウンドに比べて大きく改善されました。
WBSCの戦略計画2022-2028は、世界的な野球・ソフトボールの継続的な成長と、各国連盟メンバーのさらなるエンパワーメントに焦点を当てています。この計画には、野球とソフトボールを世界的に強化する一方で、WBSCが目的に適い、誠実さと集中力をもって競技をリードしていくという、私たちの揺るぎないコミットメントが反映されています。
女子ソフトボールワールドカップ、女子野球ワールドカップ、eベースボールシリーズ、そしてWBSCの旗艦大会であるプレミア12と来年もまた素晴らしいイベントカレンダーが目白押しであり、さらにその先には、ダカール2026ユースとLA2028オリンピックが控えています。そこでは現在のスター選手たちの地位を確固たるものにし、新たなスター選手たちをお披露目できるでしょう。
WBSCでは、競技とアスリートの継続的な発展を保証するために、すべての活動を行っています。プロ選手から初めてプレーする若い少年少女まで、私たちは彼らに最高の機会を与えたいと願っています。最後にこの場をお借りしまして、私たちの競技に参加し、楽しみ、共有してくださるすべてのアスリートや関係者、そしてコナミデジタルエンタテインメントをはじめ、カーネクスト、興和株式会社、日本通運株式会社、三菱UFJ銀行、長きにわたり公式サプライヤーを努めてくださるミズノ株式会社、株式会社エスエスケイ、Synergy Sports社、 Corpay社、さらに新たにご参入くださったアリババ株式会社などグローバルスポンサーの皆様に厚く御礼申し上げます。
素晴らしい年末年始をお過ごしくださいますよう、そして来る新年も皆様に多くのご多幸とますますのご健勝をお祈り申し上げます。
敬具
リッカルド・フラッカーリ
WBSC会長
もっと読む 2023年総括シリーズ
