台北ドームがテストマッチが成功裏に終了 アジア野球選手権でのこけら落としに向けて準備完了
19/11/2023 1 記事を読む目安時間

台北ドームがテストマッチが成功裏に終了 アジア野球選手権でのこけら落としに向けて準備完了

1991年の台湾プロ野球シリーズ第7戦が大雨に見舞われて屋内球場の建設が提案されてから32年、ついに台湾の野球ファンの悲願が叶った。

が提案されてから32年、ついに台湾の野球ファンの悲願が叶った。

【台湾・台北】2023年11月18日(土)午後、待望の台湾最大かつ初の屋内野球場には13,000人近いファンが詰めかけ、台北ドームで初の一般公開試合がおこなわれた。

初ホームラン

遠雄グループ(Farglory Group)が主催し、チャイニーズ・タイペイ野球協会が実施したテストマッチでは、アジア野球選手権2023とWBSC U-23野球ワールドカップ2024のチャイニーズ・タイペイ代表の控えチームが9イニングの規定試合を行い、アジア野球選手権チームがWBSC U-23控えチームを6-3で破った。

アリゾナ・ダイヤモンドバックのマイナーリーガー、 Sheng-Ping Chen(アジア野球選手権代表)は、6回に3ランホームランを放ち、台北ドームでホームランを打った最初の選手となった。

屋内野球場建設の提案は、今は取り壊された台北市民球場にいた1万3000人以上のファンが、1991年のCPBLシリーズ第7戦の土砂降りの雨の中、「ドームが欲しい!ドームが欲しい!」と叫んだことから始まった。ドーム建設計画は様々な問題のために時間がかかり、あの雨の優勝決定戦から20年以上経った2012年4月にようやく着工した。

しかしそこから3年後、工事書類と実際に建設された構造物との間に相違があるとして台北市政府が建設の中止を命令。2020年8月に再開されるまで5年を要した。WBSCプレミア12 2019、ワールドベースボールクラシック2017などの主要大会が開催されなかったことに加え、台北夏季ユニバーシアード2017や多くの大会や行事も他の施設への会場変更を余儀なくされた。

ドームは2023年10月に営業許可を取得し、11月には非公開・公開のテストマッチ2試合が予定されていた。

数字でみる台北ドーム

  • 起工:2012年
  • 完成:2023年
  • 収容人数: 40,071人(野球)、58,000人(コンサート)
  • 宴会テーブル数:700
  • 気温:摂氏24度
  • 風速 <1メートル/秒
  • 照明 456フィクスチャ
  • スピーカー アレイスピーカー33台、シングルポイントスピーカー45台
  • ホームランフェンス 122m(中央)、102m(左右のファウルライン
  • グラウンドからの天井高:74.5m
  • スイートルーム:36室(内野20室、外野16室)
  • 放送ブース:5(大1、小4)
  • カメラポジション 13台(固定10台、クレーン3台)
  • 駐車スペース:セダン2,136台、バイク・スクーター3,800台、バス60台、大型車60台、積載車56台、SNG(路面)10台

設計と建設

台北ドームは、世界的に有名なスポーツ施設設計事務所「Populous(ポピュラス)」が設計し、建設工事は遠雄建設(台湾)と日本のトップ屋内スタジアム建設業者である大林組が共同で行った。複合施設はドーム、ショッピングセンター、映画館、オフィスビル、高級ホテルで構成されている。

4万人収容のスタジアムは現在、台湾最大の屋内競技場であり、野球やその他のスポーツの試合、コンサート、展示会、その他のイベントを開催することができる。会場内には36の豪華スイートルーム、5つの放送ブースがあり、台湾で初めて男女別の審判ロッカーとラウンジを設置した野球場でもある。

台北ドームは固定屋根式で、芝の製造に最新技術を導入したミズノの「MS Craft Baseball Turf」を使用している。

テストイマッチでは、台北ドームは最大13,000人のファンをスタジアムに招待し、グランドを埋め尽くした。台北市政府によると、次回の第30回BFAアジア野球選手権大会では、最大2万人のファンを迎える予定だという。台北市の李四川副市長は、「試合終了後、13,000人の観客が整然と退場するまでわずか15分しかかからなかった」と報告した。

2023年12月3日に開幕する第30回BFAアジア野球選手権大会が台北ドームのこけら落としとなる。