世界野球ソフトボール連盟（WBSC）のリッカルド・フラッカーリ会長は、12月13日にスイスのジュネーブで開催された国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）のグローバル難民フォーラムに出席し、WBSCはUNHCRの「インクルーシブと保護のためのスポーツに関する共同誓約」へのコミットメントを新たにした。
その対象となる範囲は以下の通り
- 安全なスポーツへのアクセスを可能にする環境を促進する
- Pインクルーシブで安全なスポーツを基盤としたイニシアチブを推進し、提供する
- スポーツを通じた技能向上と進路を促進し、その機会を提供する
- ターゲットを絞ったコミュニケーション、エビデンス、アドボカシーを活用する
- パートナーシップとコーディネーションの強化
フラッカーリ会長は、コロンビア政府、スコート財団、オリンピック難民財団、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）の共催で開催されたハイレベル対話イベントで、WBSC Legacy Clubの活動、特にヨルダンのアズラク難民キャンプでのWBSCの成功事例を紹介した。
「WBSCは、野球／ソフトボールの国際的な統括団体としての立場を最大限に生かし、文化的なギャップを埋め、健康や教育水準を向上させ、世界中の社会開発を支援するツールとして、私たちのスポーツを活用することを約束します」とフラッカーリ会長は語った。「ヨルダンのアズラク難民キャンプでこれまで行ってきた活動は、その公約を示すものであり、WBSC Legacy Clubブの設立により、私たちはこの活動を継続し、将来的にはその活動範囲を拡大する可能性があります」
この対話イベントでは、WBSCを含むスポーツ団体が、世界的な難民危機に対して果たしてきた役割、そして今後も果たしていくであろう役割に焦点が当てられた。WBSCのほか、世界テコンドー連盟、UEFA、国際パラリンピック委員会など、さまざまな関係者が発言したほか、IOCのトーマス・バッハ会長もオープニングスピーチを行った。
ヨルダンのアズラク難民キャンプとスフ難民キャンプにおけるWBSCの継続的な活動は、すでにUNHCRの「インクルーシブと保護のためのスポーツに関する共同誓約」を満たしていることを意味する。
3月にはアズラク・キャンプに真新しいBaseball5のフィールドが開設され、資格のあるコーチが毎週、避難民の子どもたちとトレーニング・セッションを行い、他の地元チームとの試合を企画している。
WBSC Legacy Clubは現在、多くのパレスチナ難民が住むスフ難民キャンプでもBaseball5の活動を支援している。
Legacy Clubのこれまでの実績
- 3月にチュニジアの国際コーチ、チェドリ・モクラニを招いて行われた最初のセミナーの後、Legacy ClubはWBSCのインストラクター、アンドレア・ダウリアを派遣し、9月25日から29日にかけて、アズラク難民クラブとその近郊にあるバリラ村のコーチ、ゲーム関係者、練習生12人を対象に、ハイレベルなセミナーを行った。
- このプロジェクトは近隣のバリラ村、メクベレ村、スマ村にも拡大中。Legacy Clubは、パレスチナ難民で構成されるスフ難民キャンプでもBaseball5活動を支援している。スフ・キャンプでは、ほとんどの人がヨルダンのID/パスポートも持っている。
- Baseball5難民チームのヘッドコーチであるアムジャド・アラトーム氏は、第1回WBSC Baseball5 ユースワールドカップに招待された。彼はゲームオフィシャルのトレーニングに参加し、WBSC Baseball5の国際試合役員の一人となった。これにより、彼は大会中に審判をする機会を与えられ、ヨルダンのアズラク難民キャンプに持ち帰ることができるスキルを学んだ。他にも2人のヨルダン人コーチが大会と教育クラスに参加した。
- WBSCはヨルダン国内オリンピック委員会とともに、ヨルダンに国内野球/ソフトボール連盟を設立するための5人のタスクフォースを指名。Baseball5を学校に導入してヨルダンでの野球／ソフトボール拡大を図り、さらにBaseball5を通して関連する4つの村（Balila、Meqbeleh、Summa、Souf）の選手とコーチによって最初の代表チームを編成する。
