第17回WBSC女子ソフトボールワールドカップの決勝大会進出をかけたグループAの戦いが8月11日(火)にアイルランドのフィンガル・ダブリンで始まる。世界ランキング1位で前大会王者のアメリカがグループトップの最有力候補だが、他の5カ国との激しい競争が待ち受けている。
チャイニーズ・タイペイ(世界3位)とオーストラリア(9位)は過去にメダルを獲得。イギリス(16位)、アイルランド(17位)、ボツワナ(43位)はワールドカップ史上初の8強進出を狙う。
アメリカ
- WSWC出場: 16回
- 最高成績: 優勝11回(1974年、1978年、1986年、1990年、1994年、1998年、2002年、2006年、2010年、2016年、2018年)
- 2018年大会: 優勝
- 世界ランキング: 1位
キャット・オスターマンとモニカ・アボットがそれぞれ2021年と2022年に引退し、アメリカは投手陣を一新。ヘッドコーチのヘザー・ターはオリンピック銀メダリストのベテラン選手アリー・カルダに若手のメーガン・ファライモ、モンタナ・ファウツ、ケリー・マクスウェルの牽引を期待する。
守備ではアリ・アギラーの代表復帰が注目される。東京2020のメダリストでもあるアギラーは、アメリカの2016年と2018年WBSC女子世界選手権金メダル獲得チームの一員で、2018年大会では打率.310、2HR、10RBI、8打点、2016年大会では打率.333、1HR、4RBI、5打点を記録した。
チャイニーズタイペイ
- WSWC出場: 15回
- 最高成績: 2位(1982年)
- 2018年大会:9位
- 世界ランキング:3位
チャイニーズ・タイペイは9年ぶりに女子ソフトボール・ワールドカップの8強入りを目指す。最後のプレーオフ進出はヨーロッパで開催された唯一のワールドカップだった2014年にオランダのハールレム大会。アジア代表の新星は、2021年のU-18女子ソフトボール・ワールドカップで銀メダル、2022年のバーミングハム・ワールドゲームズで銅メダルに導いたHsia-Ai Ke。
昨年のバーミングハムでチャイニーズ・タイペイは20年ぶりの国際大会でメダル獲得。銅メダル決定戦では、グループAのライバルであるオーストラリアを6-0で下した。7月14日のこの両チームの戦いは決勝大会進出を狙う両チームにとって重要な一戦となる。
チャイニーズ・タイペイがワールドカップで最後にメダルを獲得したのは2002年、カナダのサスカトゥーンでの銅メダル。
オーストラリア
- WSWC出場: 16回
- 最高成績: 優勝(1965年)
- 2018年大会:4位
- 世界ランキング:9位
世界選手権で優勝歴のある4カ国のうちのひとつであるオーストラリアの目標は、再び8強入りを果たし2024年の決勝大会でメダルを争うこと。「アメリカとチャイニーズ・タイペイは手強い相手であることは分かっていますし、イギリス、アイルランド、ボツワナといった未知の相手がどんな挑戦をしてくるか分かりません」と、レイン・ハロウ・ヘッドコーチは語った。
オーストラリアは最初の4大会でメダルを獲得したが、東京2020大会では5位という残念な結果に終わった。ステイシー・マクマナス、カイア・パーナビー、エレン・ロバーツ、テイラ・チチクロニス、ジェイド・ウォール、クレア・ワーウィック、ベリンダ・ホワイトの7人のオリンピック選手がオーストラリア代表としてワールドカップのグループステージに出場する。
イギリス
- WSWC出場: 7回
- 最高成績:10位(2006年)
- 2018年大会:11位
- 世界ランキング:16位
女子ソフトボール・ワールドカップ7大会連続出場のイギリスは、初のトップ8入りを目指す。2006年の北京大会では10位に入り、それ以来ワールドカップに出場し続けているが過去5大会ではトップ10に返り咲くことはできなかった。
イギリス代表は、エースであるジョージナ・コリックを頼りに来年の決勝大会を目指す。彼らの野望はLA28で開催されるオリンピックにソフトボール出場だ。「長期的な目標であるLA2028に向けた戦略もあり、非常に若い選手たちで構成されたチームです」と、イギリス代表のゲリー・アンダーソン・パフォーマンス部長は語った。
コリックは2022年、アメリカの大学4年生でNCAA史上初の三冠王に輝き、37勝、418奪三振、防御率0.51でチームを牽引した。
アイルランド
- WSWC出場: 1回
- 最高成績:26位(2016年)
- 2018年大会:該当なし
- 世界ランキング:17位
第17回WBSC女子ソフトボールワールドカップの開催国アイランドは史上11番目の開催国。アイルランドは地元ファンの声援を力にグループラウンドで経験豊富なライバルを制して決勝トーナメント進出を狙う。
世界最高峰の女子ソフトボール大会出場は2016年にカナダのサリー大会のみ。この大会では2勝7敗の26位に終わり、唯一の勝利はプレースメント・ラウンドのプレーオフでイスラエルを7-6、ケニアを11-3で破った。
2022年欧州選手権に出場したアイルランドのベテラン選手12名が7月11日から15日まで母国で開催されるワールドカップ・グループAに出場する。大陸予選は9位だった。
ボツワナ
- WSWC出場: 5回
- 最高成績:14位(2006年、2014年)
- 2018年大会:16位
- 世界ランキング:43位
ボツワナはWBSC女子ソフトボールワールドカップに参加する18チームの中で最下位。
WBSC女子ソフトボールワールドカップでの最後の勝利は、2014年にオランダのハールレムで行われたもの。この大会の開幕戦で、グループラウンドのライバルであるイギリスを5-3で下した。オレアベツェ・モジェレマネが勝利投手となり、バフェディル・ドゥベが3ランを放った。
ボツワナは、1994年のデビュー戦(フランスとウクライナ戦)で2度、2006年(コロンビア戦7-0)と2014年(前述のイギリス戦)でそれぞれ1度勝利している。
ボツワナはアフリカ予選で南アフリカに次ぐ準優勝でワールドカップ出場を決めた。