ゾエ・ヒックス 女子野球とソフトボール両立の草分け的存在
11/08/2023 1 記事を読む目安時間

ゾエ・ヒックス 女子野球とソフトボール両立の草分け的存在

先月のWBSC女子ソフトボールワールドカップでカナダの一塁手として活躍したヒックス(写真13番)は、現在はWBSC女子野球ワールドカップで三塁手としてプレーしている。

世界トップクラスの野球選手やソフトボール選手の多くは、国を代表することは選手人生において最高の栄誉だという。ドミニカ共和国のオリンピック選手であり、MLBのスター選手であるフリオ・ロドリケスは 「母国の代表としてプレーすることは、これまでの人生で最も特別な野球だった。今までとは違う感覚だ。人生で最も特別な瞬間だ」と証言している。

そして、2つの異なるスポーツで国を代表できることは、さらに珍しく、名誉なことであり、ゾーイ・ヒックスはそこで話題を呼んでいる。

25歳の彼女は、カナダのサンダーベイで開催されているWBSC女子野球ワールドカップ・グループAに参加しているカナダ女子野球代表チームの三塁手としてレギュラー出場している。数週間前、彼女はカナダ女子ソフトボール代表チームの一塁手として先発出場し、第17回WBSC女子ソフトボールワールドカップ・グループCで準優勝、2024年の決勝大会への出場権を獲得した。

ソフトボールと野球は多くの類似点はあるものの決して同じではない。「ソフトボールはより速く、より激しい」とヒックスはWBSCに語った。「ソフトボールで一塁を守るのは、野球で三塁を守るのと同じようにいつでも準備ができていなければなりません」

ソフトボールでの経験が、野球でのプレースタイルに影響しているのかもしれない。「私は野球の他の三塁手よりも少し近い位置でプレーするかもしれません。素早く動くことよりも、余裕を持って動けるようにしたいと私は思うからです。その辺を一番うまく調整しなければなりません」

彼女はまた、プレーのペースの違いも認めている。「野球ではピッチャーの動きが少し遅い。牽制もあります。それでも、いつ自分の出番が来てもいいように集中していなければなりません」

ヒックスは、WBSC女子野球ワールドカップとWBSC女子ソフトボール・ワールドカップに2016年と2018年の同じ年に2度出場したオーストラリアの東京2020オリンピック選手、チェルシー・フォーキンというもう一人の女子ソフトボール/野球の先駆者の足跡をたどっている。フォーキンはWBSC女子ソフトボール・ワールドカップに合計5回、WBSC女子野球ワールドカップに3回出場した。

もう一人のオーストラリア人選手、アーロン・ホワイトフィールドは、2012年にアルゼンチンのパラナで開催されたWBSC U-19男子ソフトボール・ワールドカップに出場し、銅メダルを獲得している。

「国を代表してプレーするのはいつだって嬉しいものです。国を代表できることを誇りに思います。今でもオーストラリアを代表できるときはいつでも、私にとって大きな名誉です」とホワイトフィールドはWBSC プレミア12 2019開催中に語った。

「私の経験では、野球ではボールを繋ぐのは難しくありませんが、長打を打つのは難しいと感じました。ソフトボールはその逆で、繋ぐのは難しいが、長打は難しくないんです。もう1つの大きな違いは、ソフトボールではボールが上がることがあるのですが、野球では常にボールが下がってくることです。それも大きな違いです」

ホワイトフィールド家と言えば、アダムの妹のタミーカもオーストラリア代表として過去2回のWBSC女子ソフトボール・ワールドカップに出場して2018年の千葉大会では4位入賞、さらに先月は二塁手として2024年のWBSC女子ソフトボール・ワールドカップの決勝大会への切符獲得に貢献した。