フィールドで輝くBaseball5
30/09/2023 1 記事を読む目安時間

フィールドで輝くBaseball5

Baseball5は世界のほかの地域にくらべて、通常スポーツに参加することが難しいアフリカ、ヨルダン、ガザ地区などの大陸、国、地域で受け入れられている。

2018年にBasebal5 が世界を席巻して以来、WBSC のこの新しい都市型競技は、その核となる価値観、つまり包括性、チームワーク、適応性、革新性、そしてプレーのシンプルさによって何百万もの人々の注目を集め、それがこのBasebal5 を非常にユニークで魅力的なスポーツにしている。しかし、他の要素よりも更に注目に値するのは、Baseball5 がほんの数年前にはおそらく考えられなかった場所で、個人や組織がスポーツに参加する多くの機会を提供したという事実だ。

これは、世界で最も人口密度の高い地域の一つであるガザに住む21歳のパレスチナ人少女、Lama al-Masriさんのケースである。彼女の夢は国際舞台で母国を代表することだ。

「幼い頃からスポーツに夢中で、スポーツが大好きです。サッカー、Baseball5、卓球など、あらゆる種類のスポーツをしています。小さい頃からチームのキャプテンをしていて、私の夢は国際的なスポーツ大会でガザの女子チームの一員として出場する事です」と彼女はロイター語った。

ガザの女性達はスポーツに参加するのにいくつかの障壁があるようだが、この野球とソフトボールの都市型競技は少女たちに身体活動やスポーツ競技に参加する機会を提供した。2018年、WBSCは野球とソフトボールのキットも含む開発振興プログラムの一環として、ガザ地区にBaseball5を導入した。ガザ地区にはスポーツのためのスペースが不足しており、適切な競技場も存在しないため、Baseball5 はこの地域社会にぴったりだった。

「神様の御心であれば、将来、私たちはこのスポーツで国際レベルで優れた成績を収めることができるようになったり、ガザのパレスチナ人の女の子たちがスポーツをしたり練習したりすることができて、自分たちのスキルや能力を披露できるようになると思います。私たちはガザでもスポーツをや、それ以上のこともすることができるようになると思います!」と彼女と言葉を結んだ。

Baseball5へのアクセスと機会に喜びを見出しているのはLama al-Masriだけではない。この新しいスポーツは、特に 2026 年ダカールユースオリンピック競技大会でメダル競技として採用されてから、アフリカにも即座に影響を与えている。

Baseball 5 は、そのアクセスのしやすさと若者に焦点を当てたアプローチにより、アフリカ大陸で受け入れられている。そしてその結果があらわとなった。合計 11 のアフリカ諸国がWBSC Baseball5 世界ランキングに含まれているが、これは世界のBaseball 5 プログラム総数の 24% に相当していて、チームスポーツの発展において独自の課題に直面している大陸にとっては驚異的な数字だ。

今年のアフリカユースBasebal5予選では、ワールドカップの2枠をかけて8チームが出場し、アフリカの大会では過去最大の参加チームが集まった。開催国ガーナは歴史的な快挙を達成し、史上初めてWBSCワールドカップ出場権を獲得した。ガーナはWBSCワールドカップに参加する80番目の国/地域となる。

一方、Baseball5アズラック難民チームプロジェクトは、ヨルダンの若い難民にも参加の機会を提供している。Baseball5 を通して、世界中の難民、強制退去者、恵まれない人々に野球やソフトボールを提供し、彼らの代表として 2026 年ダカールユースオリンピック競技大会でメダルを争う難民チームを結成させることが、このプロジェクトの重要な目標の一部だ。

「Baseball5は、チームスポーツが持つ力とそれが持つ人々を団結させる独特の力を明らかにしてくれます」とWBSC会長のリッカルド・フラッカーリは述べ、「チームスポーツは、それを実践する人々にスポーツ活動の身体的および心理的利点をもたらすだけでなく、自分たちが代表するチームで団結し、一体となるというコミュニティ全体を巻き込む能力があります」と結んだ。