侍ジャパンと欧州チームが対戦する「侍ジャパンシリーズ2024」が大阪で開催されるまであと1カ月余りに迫った。WBSCは引き続き欧州チームのコーチに注目する。
2015年に開催された第1回グローバルベースボールマッチでは欧州チームの監督を務めていたスティーブ・ヤンセンは、2024年3月6日と7日に予定されている今回の2試合シリーズでは、マルコ・マッツィエリの三塁コーチを務める。
「マッツィエリ監督との関係は2014年の欧州選手権から始まりました。マルコはイタリア代表の監督で、私はオランダ代表1年目でした」とヤンセンはWBSCに語った。「スーパーラウンドの最終戦と決勝の2回対戦しましたが、私たちがラインアップを交換しているとき、マルコが対戦するたびに負けたほうが夕食をおごるという提案をしたんで、それは面白いと受けたんです。実際、マルコに夕食代を払う必要はありませんでしたが」と笑った。
ヤンセンは2015年のグローバル・ベースボールマッチについて「2015年に欧州チームの監督を頼まれたとき、私はやると言いましたが、マルコとも一緒にやりたいと思いました。2015年の日本遠征は素晴らしいものでした。選手もコーチもよいメンバーで、それ以来、私たちは一緒に何かをやり親しい友人になりました。また何かやりたいとよく話してきて、今回その機会がやってきたんです」と加えた。
1972年、ベルギーのアントワープ近郊ウィルリク生まれのヤンセンは、ベルギーリーグの捕手だった。母国代表として1993年と1995年のヨーロッパ選手権に出場。
1999年、ヤンセンはブラスチャート・ブレーブスの監督としてベルギーリーグを制覇。2009年と2010年にはオランダのスパルタ・フェイエノールトと同様にネプトゥヌス・ロッテルダムを指導し、ペナントに導いた。2007年にはベルギー連盟のテクニカルディレクターも務めた。
2003年から2005年までオランダ代表投手コーチ、2010年から2018年まで監督を務めた後、シカゴ・カブスの下部組織で2年間(2018年、2019年)経験を積み、2022年までドイツ代表監督を務めた。
ヤンセンは選手の体格、特徴、癖などからその選手の最良の身体運動を分析する「Baseball Action ID」を設立した。
「人は体を動かして学んでいきますが、人によって体の動きはちがいます」と言う。
「専門家は、スポーツ技術における個人のスタイルの重要性を見落としがちです。人間の体は複雑で順応性がある。投手について言えば、標準化されたピッチングメカニクスは、しばしば個人の持つその身体的複雑性を見落としていると思うのです」と語った。
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ヤンセンはパンデミックの最中に選手個々の身体動作の癖や固有の動きについて触れた。
「フランス代表のサッカーチームがこの方法で何を成し遂げたかは誰もが知っていると思います。選手それぞれの体格や特徴、癖などに注目することの大切さを信じています」
「侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs 欧州代表」 の話にもどりますが、欧州チームが3月にプレーできるようにするにはどうすればいいのでしょうか?「多くの選手はウィンターボールをプレーしています。2015年は90%の選手が室内練習から出てきてプレーしていたので、今回はもっと準備はできていると思います」と答えた。
選手たちもプロですから準備はできています。みんな対戦相手についてよく知っているし、最高のコンディションで臨むために全力を尽くすでしょう。試合のリズムはまだありませんが、球場に行ったら日本のファンたちの様子にヨーロッパの選手たちは驚いて、あの雰囲気でアドレナリンが出ると思いますよ」
ヤンセンは日本の野球が好きだ。
「NPBの試合を見るのは好きで、いつも朝、パソコンに向かう前にストリームを探します。ホームチームが10-0でリードしていても、10-0でリードされていても、雰囲気はまったく同じで日本のファンはすごいですね。彼らは味方であれ敵であれ、常に誰かのために応援しているようです」
今、国際野球をどのように評価していますか?
「WBCとプレミア12は素晴らしい大会です。ヨーロッパ勢ではチェコがWBCに出場し、スペインがヨーロッパ選手権で優勝したことはすごいことだと思います」