WBSCが初のインテグリティユニット年次報告書を発表
26/05/2023 1 記事を読む目安時間

WBSCが初のインテグリティユニット年次報告書を発表

「WBSCは、我々のスポーツをより強く、より良くし、その説明責任を果たす最善の努力を続けていきます」とWBSCのリカルド・フラッカーリ会長はコメントした。

世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は、年次報告書インテグリティ・ユニット・レポートの第1版を発表した。

WBSC会長リカルド・フラッカーリは「この報告書は、アンチドーピング、ガバナンス、競技操作の防止、セーフガード、持続可能性など、インテグリティのあらゆる主要原則を網羅し、WBSCのインテグリティに関する事項について会員に最新情報を提供します」とし、「WBSCは、我々のスポーツをより強く、より良くし、その説明責任を果たす最善の努力を続けていきます」とコメントした。

Integrity Unit Annual Report 2022

WBSCインテグリティ・ユニットはアンチ・ドーピングを重要な優先事項にあげ、さらに他のスポーツ界や政府が、競技操作、違法賭博、嫌がらせや虐待、汚職、ガバナンスの欠如、持続可能性の欠如といったドーピング以外の脅威にどう対処しているかを調査した。この年次報告書は、アンチ・ドーピングとガバナンスの報告書など7章から構成され、野球・ソフトボール界のニーズに合わせたインテグリティ・ユニットの対応策となっている。

WBSCは、U-18野球ワールドカップ、U-23野球ワールドカップ、男子ソフトボールワールドカップといった2022年の国際シーズン中の大会を、Sportradarのユニバーサル不正検出システムを用いて監視した。

2021年9月初めから、WBSCインテグリティユニットは、WBSCアスリート委員会のメンバー2名とそのリエゾンをIOCのスポーツにおけるセーフガードに関する認定プログラムに申し込んだ。二人は200時間の講義と試験を経て、2022年9月に3人全員が最終認定を受けた。2023年WBSCは各チーム、オフィシャル、WBSCのイベントに関わるスタッフを対象にオンラインおよびオフラインの教育ワークショップを提供する予定。

また、WBSCの公式チャンネルを通じて報告されたハラスメントや虐待の事例についても言及している。

「機密性のあるものもありますが、このアプローチによってWBSCがそのプロセス、特に決定を下す際に透明で明確なものになることを保証します。これが良い例となることを願っています」

2022年、WBSCは、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に沿った持続可能な戦略を発表した。この戦略を実現のため、WBSCはGreen Future Project(GFP)とPilioと提携をしている。また、WBSCは、Leverade社とのパートナーシップを通じてNFTとデジタルトロフィーを採用しているが、これも物理的なメダルに代わる持続可能なものとしている。

WBSCはまたVIRTUS(国際知的障害スポーツ連盟)と覚書(MOU)を結び、WBSCパラリンピック委員会は戦略計画2022-2028の目標の中に知的障害を持つアスリートのためのベースボール5を作ることを挙げた。

WBSCは2020年にインテグリティユニットを設立。オリンピックアジェンダ2020+5、IOCの良好なガバナンスのための普遍的基本原則(BUPGG)、ASOIFガバナンス・タスクフォース(GTF)勧告に沿ったもの。