10チームもフィールドへ 第31回WBSC U-18野球ワールドカップが本格始動
31/08/2023 1 記事を読む目安時間

10チームもフィールドへ 第31回WBSC U-18野球ワールドカップが本格始動

チャイニーズ・タイペイは8月31日(木)に初勝利を挙げた。9月1日(金)には台北と台中で5試合の予定。ここではWBSCが2グループをプレビュー。

世界ランキング5位のチャイニーズ・タイペイは、9位のオーストラリアを完封し、木曜日に第31回WBSC U-18野球ワールドカップの開幕戦を飾った。

残りのチームは金曜日に試合を開始する。

グループAではチャイニーズ・タイペイが有力候補に挙げられている。韓国代表のイ・ヨンボク監督は、チャイニーズ・タイペイの強さを認めつつも、「もちろん、私たちはトーナメントで勝つためにここにいる」とコメントした。

世界ランキング4位の韓国は、スーパーラウンド進出を確実視されている。イ・ヨンボク監督は、92校から選手をスカウトしてチームを選び、投手であれポジションプレーヤーであれ「スピードに重点を置いた」と語った。

3位のメキシコは、国際野球を知り尽くしたホセ・レイエス監督が頼りだ。彼は2018年にメキシコを歴史的なU-23世界王者に導いた。イチロー・カノ内野手、アントニオ・マシアス外野手、フアン・パブロ・ティラド投手は昨年のU-18ワールドカップに出場しただけでなく、皆、メキシコのWBSC U-12野球ワールドカップ2017銅メダル獲得にも貢献している国際経験豊かなメンバーだ。

ディエゴ・ペレスGMは「私たちの目標は優勝です。内野も外野も素晴らしく、守備が私たちの強みです」と語った。

ペレスGMはU-18カテゴリーは果敢な挑戦だと言う。

「私たちはさまざまなカテゴリーで好成績を残してきましたが、この18歳以下カテゴリーは非常に難しいです。どの国も真剣に取り組んでいることもありますが、メキシコの選手の多くは高齢になって成長することが多いからなんです」と加えた。

13位プエルトリコの監督はナショナル・スペリオール・ダブルAリーグのベテラン、エディー・ゴンザレスが務める。ゴンザレスは選考過程で多くのトライアウトを行った。「オープニングラウンドは休養日なしで5試合を戦いますので、さまざまなポジションをカバーできる選手を探しました」

プエルトリコは監督が描いた最高のチームは編成できていない。ゴンザレスが考えていた8選手はメジャーリーグ(MLB)のドラフトで指名され、大学が選手を放出しなかった例もある。同監督は「私たちの強みは投手です。スーパーラウンド進出を目指し、そこからが勝負です」と意気込みを語った。

このグループの最後のチームは15位のチェコだ。チェコ・エクストラリーガのベテランであるピーター・チェフ監督は、「ワイルドカードが与えられてから、チーム選考には2ヶ月しかありませんでした。コーチングスタッフはまだ全員現役の選手で、チェコ・エクストラリーガのベテランです」と言う。

チェフは、チームの強みはディフェンスだと考えている。「ハードスローのピッチャーはいませんが、競争力を高めるためには、エラーや四死球を避けなければならないでしょう」

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前大会優勝で世界ランク2位のアメリカは、グループBの優勝候補だ。マイケル・カダイアー監督は、メジャー・リーグ・ベースボール(MLB)で輝かしいキャリアを送る前に、U-18ワールドカップに2度出場している。

「銅メダルを2度獲得した以外は、いい思い出しかありません。この子たちの多くも国際舞台はおそらく初めてでしょう。新しい文化や異なるタイプの野球を経験しているという事実だけでも彼らにとっては貴重な経験です。今自分が逆の立場から眺めることができて光栄です」と語った。

カダイアーはロースターに満足している。「完成されたチームだと思います。この大会は、9日間で10試合を20人のロースターだけで戦わなければならないので、選手を多様に起用していくことが必要です。これがチーム選考で重視したことのひとつでした。それは守備だけでなく、投手陣にも言えることです。そういう特徴を持ったロースターが揃ったと思う。あとは試合に出てプレーするだけです」

そしてカダイアー監督は「アメリカ代表だからと言って、あぐらをかいていては勝利できません。しっかりプレーしなくては」と加えた。

世界No.1の日本も勝利を目指す。「このチームには多くの可能性があります。期待はしていますが、グラウンドで何が起こるかは誰にもわかりません」と馬淵史郎監督はコメントした。

「より多くの投手を選び、より強力な投手陣を揃えようとしました。投手陣には自信があります。私たちの野球スタイルはショートボールがありますが、ホームランを打てないという意味ではありません」と語った。

「どのチームも尊敬に値するし、どのチームも危険な存在になりうると思いますが、やはりグループBを見ると、アメリカが最も強敵に見えます」と加えた。

世界7位のオランダは、第30回 WBSC U-18野球ワールドカップで世界を驚かせ、見事5位に入賞した。「これを繰り返せるかどうかはわかりません」とエリック・デ・ブルーイン監督はコメントした。「目標はベスト6に入ることですが、今年のグループはより厳しいものになるでしょう。アメリカと日本がいるし、ベネズエラとパナマとも対戦しなければならなりません」と加えた。

11位のパナマは、国内リーグで活躍する選手たちが揃っている。

リカルド・メディナ監督は、パナマのスポーツ専門チャンネルCOSの取材に対し、「素晴らしいのは、全員が国内リーグ出身で、初日からハードなトレーニングを積んでいることに加え、ほとんどすべての州から少なくとも1人の代表選手が選ばれていることです」と答えた。

6位ベネズエラが台北に到着したのは、8月31日(木)の開幕戦が終わった後のことだった。元ベネズエラ・プロリーグのスター捕手であるクレメンテ・アルバレス監督は、ベネズエラを10年ぶりにU-18野球ワールドカップに導く。

このグループの最後のチームはU-18欧州チャンピオンのスペイン(世界21位)だ。元プロ投手のホルヘ・ルイス・リエラが2022年の登録メンバー5人を頼りにしている。

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U-18ベースボール・ワールドカップは5つの国・地域で放送され、4億人の視聴が見込まれる。

全試合はWBSCのOTTプラットフォームであるGameTimeでライブストリーミングされる。

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