28/07/2023 - 06/08/2023

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VII U-12 Baseball World Cup 2023 - Official Payoff
WBSC U-12野球ワールドカップでのトロイ・グロース 「世界の裏側にきても野球は野球」
11/08/2023 1 記事を読む目安時間

WBSC U-12野球ワールドカップでのトロイ・グロース 「世界の裏側にきても野球は野球」

元五輪銅メダリストで2002年MLBワールドシリーズMVPのトロイ・グロースは、WBSC U-12野球ワールドカップで子供たちのプレーを見るために台湾の台南市を訪れた親たちの中にいた。アメリカの二連覇の達成を見届けると、グロースは時間を割いてWBSCと少年野球と国際大会についての考えを語ってくれた。

【台湾・台南】台南で開催された第7回WBSC U-12野球ワールドカップで、アメリカは開催国のチャイニーズ・タイペイをスーパーラウンド最終戦決勝戦で2試合連続で破り、世界王者の座を維持した。タイラー・アーリー投手は、4本塁打、12打点の活躍を見せながら、防御率2.08、15奪三振の成績を残し、マウンドでもプレーでも輝きを放ち、MVPの栄誉に輝いた。アーリーの父親は映画「ロッキー」の中の登場人物、アポロ・クリードさながら全身アメリカ国旗の姿でスタンドからアメリカを応援した。

さて、この観客の中に元オリンピック銅メダリスト(1996年アトランタ)で、メジャーリーグ(MLB)のロサンゼルス・エンゼルスの伝説的選手、トロイ・グロースもアメリカ代表の子供たちを応援するため、地球の裏側から歴史的な都市、台南を訪れていた。

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大会初日、グロースの存在が報じられると、グロースはその瞬間だけファンにサインしている手を止めた。

多くの元メジャーリーガーの子供たちが、大リーグの球場で父親と一緒に幼少期を過ごしたのとは違い、タイはトロイが伝説的なキャリアを終えた後に生まれた。「(タイーは)自分で(野球への)情熱を見つけ、私はそれを促す手助けをしただけです。基本的な面で、私が正しいと思うやり方を彼に教えました」とグロースは言う。「それはフィールド面だけでなく、11歳と12歳出会ってもプロとしてどのように自分をコントロールするかについても伝えてきました」

「よいチームメイトであれ、よいリーダーであれ」

野球をプレーする知識を教えるだけでなく、グロースはタイラーや若者たちに特別なメッセージを送っている。 「プレーするしないにかかわらず、常に良いチームメイトであれ、リーダーであれ、ということです。そういったことは、実際の技術よりもずっと重要なことだと思います」

グロースはまた、このレベルの子供たちが、自国を代表して世界の舞台に立つ資格を得るまでに多くの試合に出場することについて、次のように考えている。「子供たちがこのレベルにいるとき、彼らは本当に、本当にうまいと思います。彼らはトラベルボールチームでプレーして全国を飛び回っていますが、個人的には、彼らはプレーし過ぎではないでしょうか」

親として、グロースは「多くの場合、子どもたちは子供らしく、ビーチに行ったりカなことをしたりする必要もあると思います」と考えている。

子どもの頃、リトルリーグで20試合、オールスターで何試合もプレーした。それからフットボールをしたり、バスケットボールをしたり、他のスポーツもした。「私はいつも彼に他のことをするように勧めています。タイはスキーもするし、この秋にはバスケットボールに打ち込むつもりのようです」

「複数のスポーツをすることで、より良い選手になれると思います。直接的に野球が上手になるとは限らないかもしれませんが、より優れたアスリートになるでしょう」

グロースはまた、野球がいかに難しいスポーツであるか、そして若者のアスリートたちが困難に立ち向かうための準備をどのようにしようとしているかについても語った。「野球はとてもとても難しい競技です。タフだし、失敗も多い。これは失敗だらけの競技かもしれません(笑)が、それに精神的に耐えられる人は数少ないのです。[この子たちは)まだあまり失敗するところまではいっていませんがが、いずれそうなるでしょう」

「それにうまく対処できる子もいれば、苦労する子もいる。実際に経験してみるまでは、自分がどう反応するかわからないものです」

「伝えるだけではなく、きちんと教える、ということ」

子供たちが精神的に試合に臨めるよう、どのような準備をさせるかについて、グロースは、自分のコーチングの考え方は、"伝える "ことよりも "教える "ことに重点を置いていると指摘した。

「ここにいる子供たちは、日本、ドミニカ、アメリカ、韓国、チャイニーズ・タイペイの出身であろうと、みんな本当にうまいですが、試合のスピードに影響されやすいですね」

「私がコーチをしている子供たちには、試合をスローダウンして、なぜ物事が起こるのかを理解できるようになってほしいと思っています」

「子供たちに何かを説明するときは、それがプレーであれ何であれ、いつも理由を説明するようにし、なぜこれが正しいのか、ただやってみるのではなく、なぜこうするべきだったのか、と問いかけるのです」

「ただ伝えるのではなく、教えるようにしています。方法だけでなく、なぜなのかを知ってほしい。それが、彼らが正しく学ぶための最善の方法だと思います。そうすれば、彼らは間違いを犯してもそれを直すことができるのです」

人生最大のステージ

「どのチームにも、U-15チームにもU-18チームにも入れない選手がいます。その割合がどれくらいになるかはわからないですが、この子たちが今ここにいてプレーしていることは、彼らにとってこれまでで一番大きなことなんだと思います」

アメリカ代表選手たちの両親(と祖父母)約50人が、この大会のために台湾を訪れた。「カリフォルニアから15時間、東海岸からはもっとかかります。私たちにとっては、家族であれ、子供であれ、友人であれ、何であれ、これは彼らのこれまでの人生の中で最大の出来事です。これは彼らにとって、これまでで最大の出来事です」

U-12野球ワールドカップの決勝戦で、6,000人以上を超えた8,500人の完売した観衆を前にしていることについてどう思われますか?「それもまた、学びの一つですね」とグロースは言った。

「しかし、(マウンドから)バッターまでの距離は50フィート(約1.5メートル)、ベースまでの距離は70フィート(約1.5メートル)です。どこにいてもフィールドは同じでいつもと同じです」