イタリアのブットリオで開催中のWBSC女子ソフトボールワールドカップ・グループCの3日目、2試合が逆転劇のドラマチックな試合で終わったが、イタリア対フィリピンの試合は暴風雨のため延期となった。
G.ミシェルッティ球場で行われた、無敵のイタリアがフィリピンと素晴らしい試合を繰り広げていたが、1-1で迎えた4回裏、暴風雨のため試合は延期となった。再試合の日程は今後発表の予定。
* イタリア対フィリピン戦は、4回裏の悪天候のため延期
一方、この地域の天候が不安定なため、火曜日の試合は以下のように変更され、2試合がブットリオで行われる。
ブットリオ
12:00: 第12試合 ニュージーランド対カナダ
15:00: 第14試合「フィリピン対ニュージーランド
カスティオン・ディ・ストラーダ
14:00: 第13試合 ベネズエラ対日本
20:00: 第15試合 日本対イタリ
世界2位でオリンピック金メダルの日本が、世界5位のカナダに惜敗し、イタリアが3戦3勝の唯一無敗チームとして首位に立った。スリリングな攻防の末6-5で敗れた日本は、2004年アテネ五輪でカナダに1-0で敗れて以来、ワールドカップやオリンピックでアメリカ以外のチームに敗れたのは初めてだった。
日本は現在、イタリア3-0、カナダ3-1に次いで2勝1敗の3位につけている。
一方、ベネズエラは午前中にフィリピンを5-1で下したが、午後に行われたニュージーランド戦では4-3で逆転負けを喫した。火曜日に行われる総当たり戦のオープニングラウンド最終日は、全チームが上位4位を争い、水曜日に行われるWBSC女子ソフトボールワールドカップ決勝大会2024への切符を手にする2チームを決めるプレーオフに突入する。
イタリア対フィリピン
日本がカナダに敗れたため、この日最後の試合で開催国イタリアは4勝目を挙げて今大会唯一の無敗キープを狙う。
1回、マッケンジー・バーバラが右前打を放ち、二塁からエリカ・ピアンカステッリが生還してイタリアが先制。
右中間後方で雷と稲妻が鳴り始め、緊迫した試合展開となる。
4回裏、フィリピンは4回裏、アンジェウ・ガブリエルが右中間タイムリーでニコール・ハムードが得点。
雨はまだ降っていないないが雷が鳴り試合が21:00に一時中断。試合は5回裏1-1のまま。
約15分間、野球ボールほどの大粒の雹が降り続く。
23:30に試合再開を目指すと発表。
23:15 関係者とチームがグラウンドに出て点検を行ったが、会場周辺では雷と稲光がまだ続いているため、試合は後日延期となった。
ニュージーランド対ベネズエラ
ベネズエラ(22位)は、今朝フィリピンに勝利して今大会2勝2敗。ニュージーランド(29位)は今大会初勝利を目指す。
2018年のこの両チームの順位決定戦は、ベネズエラが4-0で勝利している。
ニュージーランドがハカダンス。
1回ニュージーランドの攻撃は三者凡退で終わる。レフトスタンドの遠くから雷鳴が聞こえ、風も強くなってきた。雨が近いかもしれない。
17時10分、1回裏ベネズエラの打撃で雨と風がグラウンドを襲い、試合が一時中断。
雨が降る中、両チームはダグアウトで踊ったり歌ったりしながら待機。
17時27分プレー再開。その5分後、まだ雨が降り続く中再び太陽が顔を出した。同点で迎えた4回裏、満塁で、タイニーシャ・ホウカマウがロラン・パーカーから投手交代すると、ベネズエラのユルビー・アリカートがそれを迎えて右中間を破る二塁打を放ち、フレイマル・スニアガ、ベイリー・オレリッチ、キンバリー・カイセドが得点。ベネズエラが一気に3-0でリードした。
5回表、ミケイラ・ウェラヒコのセンターへのタイムリーでネリッサ・マクドウェルが得点し、ニュージーランドが1点を返して3-1。さらにカトリーナ・ヌクヌクのタイムリー、ウェラヒコとキャプテンのララ・アンドリュースがホームに生還し3対3で並んだ。
緊迫の7回表、ショートのアリカートの守備エラーでニュージーランドのヌクヌクが一塁に到達。その間に三塁からウェラヒクが得点して1点勝ち越しに成功。
7回裏、ニュージーランドは、エリン・ブラックモアの絶叫キャッチなど守備陣が守りきり、今大会初勝利を記録。2018年ワールドカップでベネズエラに4-0で敗れた雪辱を果たした。
カナダ対日本
この日の試合は、オリンピック王者で世界ランキング2位の日本が、東京2020大会の銅メダリストで世界ランキング5位のカナダと対戦する。両チームは2018年ワールドカップで2度対戦しており、日本がプール戦で2-0、銅メダル決定戦で3-0でそれぞれ勝利、さらに東京2020オリンピックでは日本が1-0で勝利している。
今週の2試合で2勝を挙げている日本は、1回、石川恭子が出塁し、2盗を決めて3塁へ進む。川畑瞳のセンターへの痛烈な二塁打で石川が生還し、日本が1-0で先制。
1回裏、前夜のイタリア戦に敗れ2勝1敗となったカナダが息を吹き返し、ゾーイ・ヒックスのレフトヒットでライリー・クレーンが得点しすぐさま点を返した。
2回裏、日本は左翼手の塚本蛍が左中間を抜く本塁打でさらにリードを奪う。
3回表、昨夜のイタリア戦よりも確実に打線が好調なカナダが3点を追加。エリカ・ポリドーリの右中間へのタイムリーでナタリー・ワイドマンが得点、さらにジャネット・レオンがラリッサ・フランクリンの左中間へのタイムリーで得点、ポリドーリもパスボールで生還した。
5回表、カラム・ピルグリムが、右翼で後ろに下がっていった原田のどかの頭上を越える見事な三塁打でグレース・メスマーが追加点を挙げる。日本がアメリカ以外のチームに負ければ、2004年オリンピックのカナダ(1-0)、1998年ワールドカップのオーストラリア以来となる。
6回表、ケルシー・ハーシュマンが三輪さくらからこの試合2本目の本塁打を放つ。ここで2日前に41歳の誕生日を迎えたレジェンド、上野由岐子がサークルに登場し三者凡退とした。カナダが6-2でリード。
6回裏、レジェンドのグローネウェゲンがサークルに立つが、一死から内藤実穂がレフトのファールラインギリギリに放った本塁打で一塁にいた工藤環奈と生還し、日本が2点を返して6-4に迫った。
さらに、今度は原田がセンター頭上を超える本塁打を放ち、6-5まで追い上げる。
グローネウェゲンが2安打2四球、3失点したため、ケーリー・ラフター監督がモーガン・ラッケルをサークルに呼び戻した。
7回表、上野が三者凡退。
7回裏、日本は二死から安打と四球で2人を出塁させ得点チャンスを作りカナダにプレッシャーをかけたが、カナダの守備陣は内藤のバントをファーストゴロに打ち取り、カナダの勝利が決まった。
フィリピン対ベネズエラ
世界ランキング26位のフィリピンが、今大会初勝利を狙う同22位のベネズエラと対戦。
両チームとも今大会初勝利を目指す。この試合では、ヒットやゴロなど様々な打球が飛び交うが、4回までフィリピンが4安打2打点と優勢だが、スコアボード上は両チーム無得点のまま。
5回裏、ダイヤモンドの上の熱気を冷ます短い雨が降り、ベネズエラの攻撃から太陽が再び姿を現すと、満塁のチャンスでニコール・ハムードがショートゴロをファンブルし、エイラ・インファンテが生還した。
ベネズエラが1-0と逆転したその直後、次の打者、ヤカリー・モリーナがカウント0-2から左フェンスを越える見事な満塁本塁打を放ち、ベネズエラは5回を終えて一気に5-0とした。
フィリピンは最後の打席で満塁逆転のチャンスを作ったが、1アウトメアリー・マゴーが放ったセンターへの飛球をダイアナ・アルカイが刺し、レイエ・ビジャミンが二塁と三塁の間に挟まれ、結局三塁で刺されて試合が終了した。