スペインのバレンシア市立野球・ソフトボール球場で行われているWBSC女子ソフトボール・ワールドカップ・グループBでは、木曜日の試合で中国(世界11位)とキューバ(28位)がプレーオフ進出を決めた。金曜日のオープニングラウンド最終日で、プエルトリコ(4位)、オランダ(10位)、スペイン(12位)のうち、プレーオフ進出の残りの2チームが決まる。
土曜日のプレーオフに出場する上位4チームのうち、中国は木曜日の最終戦でスペインに8-0と圧勝して3勝目を挙げ、オープニングラウンド2位以上の結果となることが決まった。キューバも同様に3勝1敗で3位以上となる。
キューバは木曜日にプエルトリコに3-1で敗れ、今大会初黒星を喫した。プエルトリコは2勝1敗、オランダは2勝2敗だがどちらも4位以上が決まっている。
中国(南アフリカとキューバと対戦)とプエルトリコ(オランダとスペインと対戦)は金曜日に2試合を行い、プレーオフに進出する残り2チームが決定する。
3日目 試合結果
今日の写真
スペイン対中国
この日最後の試合は、第1試合でオランダに3-2で敗れたホスト国スペインが、初日のプエルトリコ戦、昨日のオランダ戦と開幕戦でいずれも勝利している無敵の中国と対戦する。
中国は最初の打席で4本のヒットを放ち、4点先制した。Jiaxin Xieの右中間への二塁打で Yue XieとJia Xuが得点し、さらにJiaxin XieとSiyu Yanも左中間を破るタイムリーでそれぞれ得点した。
2回、Xiaoyan Heの犠飛でJia Xuが追加点を挙げ、3回表にはバレンシア出身のYulan Deniaが左中間への飛球をヒットして塁に出たが、スペインは得点に結びつけることができず、3回も中国が5-0リードのまま終わった
バレンシア市立アイスボル・ソフボル・キャンプでは、青空の下で雨が降るという奇妙な光景が広がっている。
4回、Jiaxin Xieが今大会5本目、今日3本目、そして今大会最大のホームランをセンタースタンドに放った。With Jia Xu とMin Renも出塁し、中国は4回裏に8-0と大きくリードする。
5回表、スペインはなんとか流れを変えて7点差を縮めたいが、中国を追い込むことはできず、中国は3戦3勝で無敗記録を維持した。
南アフリカ対オランダ
初戦でスペインを破り今大会初勝利を挙げたオランダと、ここまで3敗を喫し初勝利を狙う南アフリカの戦い。
15:19、オランダのステール・デン・ドゥインが、グラブで弾んだボールが額に当たり、手当てを必要としたため、7球でプレーを一時中断。彼女はプレーに復帰できそうにない。試合は15:22に再開。ブリット・フォンクが一塁からショートストップに戻りマキシム・ファン・ダーレンが一塁に入る。
1回、オランダは堅実な打撃と好走塁で7点を奪った。フォンク、アンネマイク・ヤンセン、午前中のスペイン戦でオランダに先制点をもたらすホームランを放ったディネット・ウースティング、さらにラウラ・ヴィーシンク、ジェシー・ファン・アルスト、デン・ダイン、ダミシャ・チャールズが得点を挙げた。
イチェル・マティメラが三塁へスライディングしダミシャのタッグから逃れたが頭部に怪我をし、手当のため試合が一時中止。マツィメラは15時56分にカトレゴ・アファネと交代でプレーが再開されると、オランダが二塁でエリン・ピータースをタグアウトさせたため、アファネは本塁に生還。オランダは7-1とリードし、2回表にデン・ドゥインがフィールドに戻り、フォンクが一塁に戻った。
2回裏、ファン・アルストとファン・デル・ザンデンが得点し、オランダが9-1とリードを広げると、マキシム・ファン・ダーレンが今大会4本目、オランダにとってはこの日の第1試合でディネ・ウースティングがスペイン相手に放った爆弾に次ぐ2試合ぶり2本目となるホームランを放ち、フォンクが得点、オランダが11-1とリードを広げ、コール勝利した。
キューバ対プエルトリコ
世界ランキング4位のプエルトリコは、開幕戦で中国に敗れたが、昨日は南アフリカを下している。
キューバはオランダ、南アフリカ、スペインを破り、絶好調だ。
プエルトリコの先発はスター投手のアレッシャイア・オカシオ、キューバの先発はイリアン・トルネスで、この試合が両者にとっていかに重要かを物語っている。この対戦はプエルトリコが勝利した中央アメリカ・カリブ海競技大会の決勝の再戦でもある。
プエルトリコは2回裏、ジャネル・マルティネスの無難なヒットでカーシン・ゴードンとアレイマリー・ロペスがホームに生還。キューバの捕手のRosangela Jardinesの二塁への送球エラーでTatianna Romanも盗塁を決めた。プエルトリコ3-0。
プエルトリコはトルネスを相手に好調な打線を見せていたため、キューバは3回裏に戦術を変えリモンタ・ゲバラをピッチャーに起用した。
5回表、今大会好調のキューバのヤニスレイディス・カサノバが中前打で出塁し、リサディ・サモンが二塁からから生還してキューバは1点を返し、2点差に詰めた。
6回裏、2アウトランナー1塁、ゲバラの高めの送球がカミーユ・オルティスのヘルメットを直撃。彼女はダグアウトに戻る際に立ち上がることができたので、打球から回復するために最初は座っていたことを考えれば、大丈夫そうだ。ゲバラはこの回、3人の走者を背負ったものの、アミナ・ベガを空振り三振に仕留めてピンチを切り抜けた。
スペイン対オランダ
開催国スペインは、この日の初戦でヨーロッパ王者のオランダと対戦する。スペインは開幕戦で南アフリカを14-0で破り、昨日はキューバに2-1で敗れた。
オランダはキューバに4-3、中国は5-4と、それぞれ大敗を喫している。
世界ランキング10位のオランダは、昨年のヨーロッパ選手権で世界ランキング12位のスペインを7-2で下しているが、観客がホームのスペインを応援しているため、この試合はより接戦になることが予想される。
スペイン対オランダの第1試合開始前と開始時には小雨が降り始めた。湿気はあるがこの雨で少し暑さが和らぐだろうか。
しかし雨はさらに強くなる。10時7分、まだ11球しか投げられておらず、スコアも0-0のまま1回表を2アウトで終えたところで、豪雨のためプレーが一時中断された。通り雨程度のはずだが、グラウンドクルーがホームプレートとピッチャーサークルを覆った。
予報では13:00頃まで曇りだが、まもなくプレー再開の見込み。この小雨が暑さを和らげてくれているようで、ファンは席に留まっている。
ピッチャーズサークルとホームプレートからシートが外れ始めているので、まもなく再開できるだろう。そして、審判員も競技面の状態を調査するために戻ってきた。各チームもフィールドに戻り、ウォーミングアップを行っている。
10時25分、オランダのMarjolein MerkxがYaicey Sojoに投球する。
オランダの最初の打席で、ディネット・ウースティングが今大会3本目となるセンター超え本塁打を放ち、欧州チャンピオンのオランダが先制した。
6回裏、1-0からリードを広げたいオランダは捕手として先発出場したものの、流れ球にあごを打たれ、攻撃のみの出場となったラウラ・ヴィシンクのセンターへのゴロが起爆剤となり、ウースティングとジェシー・ファン・アルストが2ランを放ち、オランダは3-0とリードに成功した。
7回表、スペインの最後のチャンスとなるこの打席で、2アウトのホームは大歓声に包まれた。三塁から一塁への送球エラーで今大会初出場のユラン・デニアとマリア・カイコヤが得点し1点差に詰めた。ヤイシー・ソホが一塁に到達。
スコアは3-2となり、観客のホームチームへの声援はさらに高まる。しかしソランヘル・レデスマのゴロをファン・ダーレンが処理。スペインが追い上げる素晴らしい試合が終わり、欧州王者のオランダは今大会初勝利を祝うことができた。
試合前
天気は今日も曇りがちのようだが、気温は15時には32°に達する見込みだが、体感温度は昨日と同じく37度程度になるだろう。
このプールBトーナメントについては、火曜に続いて水曜にもマルカが報道している。
マオリTVがニュージーランドの全試合を生中継することが発表され、グループCへのカウントダウンも始まっている。
- 試合視聴方法
- アイルランドやイタリアと同様、スペインでWBSC大会が行われるのはこれが初めて。
- ミズノの持続可能な新ボール「M170」が使用される。
- 6チームが3グループに分かれて参加。グループBの上位2チームが来年のファイナルへの切符を手にする。大会方式の詳細はこちら。
- アイルランドでのグループAを1位と2位で通過したアメリカとオーストラリアが2024年のファイナルズに進出。イギリスは3位だった。グループAのレビューはこちら。
- イタリアのカスティオン・ディ・ストラーダとブットリオで開催されるグループCでは、世界ランキング2位でオリンピックチャンピオンの日本、同5位のカナダ、同8位のイタリア、同26位のフィリピン、同29位のニュージーランドが7月22日から26日にかけて対戦する。
- WBSCの大会で2ステージ制が採用されるのは今回が初めて。
- WBSC女子ソフトボールワールドカップ全記録
- 第17回WBSC女子ソフトボールワールドカップ決勝大会は2024年7月にイタリアで開催予定